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8月20日 タブレット

 

 私   「歩けるようになった?」

 お父さん「ああ。すまないな、いろいろと」

 私   「いいよ、別に」


 日に日に元気になっているのがわかった。


 お父さん「いつからだ、二学期は?」

 私   「25かな?」

 お父さん「もう少しだな」

 私   「だね」


 ワカさんからも、もう少しでもっと動けるようになるとは聞いていた。


 お父さん「お金は足りてるか?」

 私   「大丈夫」

 お父さん「さっき、口座にお金入れたからなくなったら言えよ」

 私   「ATMってあるんだ」


 無理しなくてもいいのに。心の声が漏れそうになってしまう。


 お父さん「ああ、1階にあるんだ」

 私   「なくなったら、確認するよ」

 お父さん「おう」

 私   「私が夏休みの間に、もう一回お墓参りしようと思う」


 なんか今のままが嫌だった。


 お父さん「また行くのか?」

 私   「うん。また、変なこと起きないようにね」

 お父さん「そんな神頼みで大丈夫か?」

 私   「大丈夫じゃないけど、やらないよりマシでしょ」

 お父さん「まぁ、、、、、、、、」


 自分で体調が悪くなったこともあり、どこか申し訳なさそうだった。


 私   「お母さんも来てくれたら喜ぶと思うしね」


 お父さんが体調を崩してから一度もいけてないし。


 お父さん「そうだな、お母さんも元気だったらいいな」

 私   「でも、暑いよ。最近は」

 お父さん「そうだな。水をやらないとな」

 私   「お墓には、私が水をかけとくよ」


 お母さんが亡くなってから、何かあった時は定期的に行くようにしていた。


 お父さん「そうか。じゃあ頼んだよ」

 私   「うん。また、明日来るよ」

 お父さん「別に無理してくる必要ないんだからな」

 私   「別に無理してないよ」

 お父さん「そうか?」


 もう私の家族は、お父さんしかいない。その想いしかなかった。


 私   「うん。気にしないで」

 お父さん「ああ」

 私   「じゃあ、そろそろ時間だから帰るよ」

 お父さん「ありがとうな」


 もう、17時を過ぎようとしていた。


 私   「早く退院できるといいね」

 お父さん「そうだな」

 私   「なんか、持ってきて欲しいものないの?」


 動けるようになったし、そろそろ何かしたい時期じゃないのか?


 お父さん「そうだな、、、、、。タブレット持ってきてくれないか?」

 私   「仕事で使っていた?」

 お父さん「そうそう」


 コイツ、また仕事しようとしているんじゃないか?父親ながら心配なっていた。

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