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8月18日 お祭り

 ワカさんからもらった連絡先をすぐにスマホに入力し、宝物のように保存していた。すぐにでも、私は連絡したかったけど、それをすることはなかった。なんとなくで連絡をすることがワカさんに申し訳な工藤感じていたのだった。今日は、佐田市のお祭りが行われていた。真紀から誘われたこともあり行くことに決めたのだ。まだ、真紀は来ていない。待ち合わせのここには、大勢の人で賑わっている。早く来てくれないかなぁ、、、、、。まだ、4.5歳くらいだろうか?親に連れてこられた子供たちは元気いっぱいに声をあげ走り回っていた。

 子供たちだけではない。このお祭りを主催したであろうお年寄りたちの人も随所にいて、おしゃべりをしながら全体を見ているようだった。この祭りは、もう何年も前から行われている毎年恒例の行事。しかし、この佐田市もお金がなく、廃れた街となっていく。まるで、聖徳高校のようだった。一方、淮南高校がある淮南市とは、大きな違いがあった。人は少ないし、お金もない。そんな古い街をなんとかしようと思う人が少ないのかもしれない。街のある人は、他の市と合併したらいいなんていう声もあった。それもわからなくはない。また、一度佐田市から出て行った若者は、なかなか戻ってこない。

 それでも、まだ何かできないかと考えてくれる人がいる。この街は、そんな人たちでなりたっているのかもしれない。お祭りに参加する老若男女の人たちは、笑顔を見せながら過ごしている。そんなことを考えていると、遠くから真紀のような人物が見えたのだった。集合時間は、18時だったが、まだ18時にはなっていない。私は、いつも早く来てしまう。なんだろうな?このきっちりした性格は。もっとゆるくでいいのに。昨日、ワカさんと話をしていて思った。

 もっと、肩の力を抜くようにと。自分では、力を抜いているつもりだけど、他者から見たらそうではないんだろうな。ワカさんのアドバイスをどう解釈すればいいのか?私には理解できなかった。真紀がだんだん近くにやってきて、ハッキリとわかるようになってきた。真紀は、いつもの私服とは少し異なり、祭りに合わせた服装だった。目の前に現れた真紀は、少し呼吸が乱れている。まだ、時刻は17時58分。時間にはきっちりと間に合っている。なんだか、私が急がせたみたいで申し訳なかった。真紀の肩に手を置き、焦らなくても問題ないことを自分なりに精一杯伝えたのだった。

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