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8月16日 時間

 今日は、いつもの場所ではなかった。ナースステェーションの横にある場所で話をしていた。


 私  「調子どうですか?」

 看護師「うん。いい感じだと思うよ」


 ここから、お父さんはどうなるのか。それは、心配だった。目を覚ましたから問題ないというわけではない。


 私  「ホントですか?」

 看護師「もうそろそろ、動けると思うし」

 私  「よかったぁ」


 完全に動けるようになったら、リハビリだろうな。


 看護師「動けるようになったら、運動しないとね」

 私  「そうなんですね」

 看護師「体の機能が低下しちゃうから」

 私  「なるほどな」


 体ってそう簡単にもとに戻らないんだな。


 看護師「どうしたの?」

 私  「いや、なんでもないですよ。それより、明日最後なんですよね?」

 看護師「そうだよ」


 昨日、ワカさんが言っていたことは本当みたいだ。


 私  「明日も来ます」

 看護師「無理して来なくても大丈夫だよ」

 私  「いや最後なんで」

 看護師「そうだけど」


 最後にワカさんは、何を伝えてくれるのだろうか?


 私  「また、明日いろいろ話しましょ」

 看護師「でも、明日バタバタしてて時間取れないかもしれないんだよね」

 私  「空いた時間に行きますよ」

 看護師「ホント?」


 とても嬉しそうにしていた。


 私  「何時くらいが空いてますか?」

 看護師「そうだな、、、、、、、、、」

 

 看護師なんて、急に体調を崩す人も多いだろうし、暇な時間はないんじゃないのか」


 私  「ありますか?」

 看護師「16時くらいだったら、ありがたいかも」


 仕事を辞めるってどんな気持ちなんだろうか?


 私  「わかりました。明日のその時間帯に行きます」

 看護師「ごめんね」

 私  「全然大丈夫ですよ」


 申し訳なさそうにワカさんが私の方を見つめていた。


 看護師「ありがとう」

 私  「じゃあ、明日16時にこのナースステーションに行きますね」

 看護師「うん」


 そこには、ニッコリと笑っているワカさんがいた。


 私  「戻りますね」

 看護師「うん。気をつけて帰りなよ」

 私  「ありがとうございます」


 お辞儀をすると、そこにはワカさんが手を振っていた。将来、私もああやって、誰かを励ませるようになりたいな。心の火が少しついたのだった。

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