8月14日 努力
もし、あの人が言っていることが本当なら。私の見立て通りなのかもしれない。私は、今日あったことを思い出していた。まぁ、でもこれは知らないふりをしていた方がいいのかもしれないな。真紀と話す前にそんなことを考えていた。
真紀「何してたの?」
私 「うーん。ゆっくりしてたかな」
真紀にお父さんのことを言っても、余計に心配するだけだと思って口を開くことはなかった。
真紀「私は、ずっと勉強」
私 「少しは賢くなった?」
真紀「全然。余計自信なくしたよ」
私 「ハハハハハ」
思わず笑ってしまった。
真紀「笑わないでよ」
私 「ごめんごめん」
真紀「そういうホナは、勉強しないの?」
勉強はしないといけない。けど、あまり身に入らないのが本音だった。
私 「勉強したいけど、あんまりそういう気分じゃないの」
真紀「そっかぁ」
決して理由は聞いてこなかった。
私 「真紀は、勉強楽しい?」
真紀「楽しいわけないよ。でも、やらないと」
私 「もし、やらなくてもよかったら勉強しない?」
髪の毛を触りながら、真紀は答えた。
真紀「やらなくてもいいなら、絶対にしないかな」
真紀らしい回答だった。
私 「いつも考えるのよね、天才との差を」
真紀「天才?」
私 「うん。高田とか寺崎とかさ」
真紀「あー、あの人たちね」
アイツらは、あんまり好きじゃないけど賢いのは認めなければならなかった。
私 「アイツらが賢くて、なんで私は賢くないのか」
真紀「わかったの?」
私 「うん」
ゆっくり頷く私に、真紀はくいついた。
真紀「なんなの?」
私 「それは努力なんだと思う」
真紀「努力?」
キョトンとした顔で私の方を見てくる。
私 「ムカつくけど、結局アイツら努力してるんだよね」
真紀「あー、、、、、、、、、」
真紀は、何も言ってこない。
私 「自分たちができない理由を必死に探すけど、そういう話ではないんだってね」
黙ってしまう真紀に何も言ってあげられなかった。
真紀「そんなことない」
ゆっくり口が開くのがわかった。
真紀「たしかに、高田さんや寺崎さんは努力してるかもしれないけど、ホナだって努力してるよ」
真紀「努力してるよ、、、、、、、」
なぜだろう?なぜか、私は不思議な気持ちになっていた。




