8月9日 看護師
寝ているお父さんの横で、お父さんの荷物を整理していた。横で看護師も片付けをしている。
看護師「疲れてませんか?」
私 「大丈夫です」
声をかけてきたのは、昨日来た看護師だった。
看護師「よかったら、何か持ってきましょうか?」
私 「え?」
少し茶色がかったショートの髪の毛がなびいていた。
看護師「もう、3日目じゃないですか?」
私 「そうです」
お父さんとは、まだ話せていなかった。医者が言うには意識は戻っているがまだはなせるじょうたいて話せる状態ではないらしい。
看護師「もし、欲しいモノあったら渡しますよ」
私 「いえいえ、大丈夫ですよ」
変に気を遣ってもらうのは申し訳ない。
看護師「全然帰ってないんですよね?」
私 「そうです。お父さんが起きないんで」
看護師「心配だよね」
いつも話しているのか、お姉さんはとてもスムーズに話をしていた。
私 「ありがとうございます。気を遣ってもらって」
看護師「ううん。何か困ったら言ってね」
私 「じゃあ、話してほしいです」
まさか、自分がこんなことを言うなんて。無意識のうちに話をしてしまっていた。
看護師「ああ、いいよ」
私 「嬉しいです」
看護師は、ベット近くにある棚に入ってるモノを取り替えながら私の話に耳を傾けてくれていた。
看護師「高校生だっけ?」
私 「はい。でも、もう3年生ですけど」
看護師「じゃあ、受験かぁ」
タオルを取り出し、別の何かを入れたようだ。
私 「受験ですけど、全然勉強してないです」
看護師「そうなのー?」
驚いている。けど、私は何に驚いているかわからなかった。
私 「はい。お姉さんは、何歳ですか?」
看護師「お姉さんじゃなくていいよ。ワカって呼んで」
この看護師は、仲元和佳って言うらしい。
私 「ワカさんですね」
看護師「うん。私、24だよ」
私 「若いですね。看護師とかいつから目指されたんですか?」
みんながいつから将来のことを考えているのか気になった。
看護師「高校生くらいの頃から決めてたかな」
私 「えー。早いですね」
看護師「まぁね、、、、、、」
何かある。その言葉の続きは。私は、そう思った。
私 「私、やりたいことないんですよね」
看護師「えー。もったいないね」
もったいないかを理解できなかった。




