8月3日 タイプ
いつものように、薄暗い部屋の中で、宿題をしていた。しかし、私は、これまでとは違い、絶望的な気分を抱きながら机に向かって座っていたのだ。というのも、目の前にあるのは、終わりなき数学の問題の量だった。何度も問題に取り組むが、問題が多いことに加えて難しい。今の私では、どれも歯が立たなかった。もう、全然終わらない。「真紀に聞きたいな。まぁ、受験勉強してるから無理なのだろうけど」。誰もいない部屋で私はつぶやいていた。どうすればこの問題が解けるだろうか?まったく、私はわかった。
普段から、勉強しなれてないから、わからなかったらどうするのかがわからない。みんなどうするのだろうか。ずっと考えるのか。それとも答えを見るのか。私と一緒にいた三人は、三者三様だった。真紀は、わからなくてもずっと考えている。楓は、わからなかったらすぐに答えを見る。那奈は、わかってもわからなくても、なぜそういう答えになるのかを考えるタイプだった。私は、楓みたいにわからなかったらすぐ答えをみるタイプに近いけど、それじゃあダメなんだろうなと思う。あっ、そっかぁ。さっきまでの問題がわかった。余計なことを考えていることが功を奏した。私は、さっきの問題集にシャーペンで書き始めた。
この問題は、解くのに時間がかかる。けど、解き方がわかればすぐできる。そういう問題だった。私は、シャーペンで筆算をし始めた。計算を解き終え、答えが出た。あとは、答えを見て合っているかどうかを見ればいいだけ。けど、答えを見る気力もなかった。疲れた体でベットにダイブした。そして、近くにあったスマホを目をやった。
私は、答えを見ることを諦めスマホを手に取った。みんなSNSでいろんなことを投稿している。私たちのクラスでは、高田、寺崎、林たちが中心に投稿していた。クラスでも人気の彼女たちは、かわいい写真や文章を定期的に投稿し、みんなから共感を得ていた。私や真紀は、そういう投稿はしないタイプだから、いつも話を聞いているだけだった。私も暇だし、この際やってみようかなとすら思う。でも、どうせやるなら那奈がいる時にしたいな。そう思っていた。けど、那奈にはそんなことを話すことすらできない。やっぱり、いつもいる人がいないというのはツライな。何か考えているといつも那奈のことを思い出す。人生、そういうものなのかな?とすら思っていた。なかなか宿題が終わらず、気がついたらベットで長居していた。




