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8月2日 アニメ

 私は、リビングでソファに深く身を沈めながら、テレビを見ていた。その巨大なスクリーンは、現実逃避の窓であり、私にとってはいい時間だった。テレビ番組のオープニングから鮮やかな色彩と躍動感あふれていた。音楽とともに流れ始めたアニメは、私を日常の雑踏から解き放たれるような感覚だった。生き生きとしたキャラクターは、画面上でいろんなことを伝えていた。

 声優の声がいいのか知らないが彼らの声は、私の耳に心地よく響き渡ってくる。悲しみ、喜び、怒りなどの感情が、巧みに表現されているように感じた。自分自身もその物語の中に入っているかのように感じさせられる。キャラクターたちの表情が変わり、私の心を揺さぶっている。場面が切り替わり、美しい風景が画面を埋め尽くす。アニメでここまで、風情ある映像を出せるなんて。鬱蒼とした森、きらめく海、雄大な山々が広がる。私は、現実世界を旅しているような錯覚を起こさせるような気がしたのだった。

 そう言えば、昨日は高校野球を見ていたな。結局、8対11というスコアで淮南高校は負けたのだった。最後は、3点差まで追い上げたが、あと一本が出なかった。川本がアウトになり、2死2塁で打席に入ったのは、9番湯浅。まったくストライクゾーンに入らず、四球となった。続いて、1番の村田が入る。湯浅に続いて、村田めバットを振ることはなく四球となっていた。2死満塁で2番の賀川。動揺した白峰工業高校のスキを縫うかのよう初球からバットを出したのだった。打球は、センターの前に落ちる。二塁ランナーまでホームまで返ってくる。ここでもう一本出ればという展開だった。そこで、バッターボックスは、3番の園山。

 まさかのここで、投手交代。私は、こんないいところで投手を帰るなよと思ってしまったのだ。白峰工業高校の投手は、サイドスローから投げる武田という投手へと変わった。1球目、2球目とバットにボールが当たらず、私は試合が終わると確信したのだった。3球目。ボールは、外野へと飛んでいく。眩しい光の先に、ボールはレフトのグローブへと吸い込まれ、彼らたちの試合には終了したのだった。

 みんなよく頑張っていたけど、これが強豪校との差なんだろうと思った。聖徳高校は、淮南高校に負けたとか言っていた。私は、勝っても負けても影響ないからいいんだけど。野球部の何人かは、昨日の試合に駆け付けていたとか真紀が言っていた。みんなは、どんな想いを抱いているのだろうか?

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