8月1日 淮南高校VS白峰工業高校
夏の灼熱の中、緑豊かな球場の熱気は最高潮に達していると解説者は伝えている。実際、どんな感じなのだろうか?審判が「プレイボール!」と叫び、ピッチャーは準備をする。今日は、長野県高校野球の準決勝が行われていた。淮南高校と白峰工業高校の試合。試合は、いよいよ大詰め。9回に入るみたいだ。ここまで、5対11で白峰工業高校がリードしていた。そりゃあ、いくら淮南高校が強いといっても、相手が強すぎるだろ。負けて当然の試合だった。9回は、5番の南という人からだった。
私は、野球についてあまり詳しくないけど勉強もしたくないから、なんとなく試合を眺めていたのだった。球場は、もっと暑いんだろうな。解説者は、
淮南高校野球部の熱心な応援を切り取っていた。この回を抑えると、白峰工業高校の勝利。最後ということもあり、私も注目していた。解説者も、"この回を抑えれば"と何度も発言していた。"ボール"。審判の声とともに大きな声が響きわたった。先頭バッターが塁に出ることは凄いことなのだろうか?
ノーアウト1塁で打席には、6番の山名という人が入った。バッターは、普通のバッティングではなく、バントをしたみたいだった。「おおっと。ここで、バントかぁ。これは、意外な作戦に出ましたね!」。ベンチの選手が総立ちになって山名を受け入れた。「6点差でバントなんて、、、と考える人は多いでしょう。しかし、淮南高校は、この1年間、この野球をずっとやってきたんです。ナイスバントだ」。解説者は、山名を誉めていた。
1死2塁となり、ここでバッターが変わるようだった。7番の直江に代わり、代打川本。しかし、川本はセカンドゴロとなりツーアウト。「さぁ、いよいよアウト一つで試合終了という展開まできましたね」。最終回のツーアウトということもあり解説はより熱を帯びたように感じる。ツーアウトランナー三塁で8番の新内が打席に入る。大きな金属音がテレビ越しに響いた。2球目を綺麗にセンターへと返していく。解説者は、称賛の言葉を惜しまなかった。「あと、アウト1つというところでしたが、きっちりと弾き返しましたね。これぞ、野球の醍醐味が詰まっています」。これで、6対11。打ったバッターは、二塁まで進んでいた。まだ、5点差ある。ひっくり返すにはまだ足りない。それでも、この夏の灼熱の太陽の下、野球をする選手たちをみていると、感動が凝縮されているような気がしたのだった。




