7月31日 終わり
私の隣に座っていた真紀と、かれこれ30分は話をしていた。せっかく勉強したのに、こんなので大丈夫だろうか?
真紀「すすんだ?宿題は?」
私 「まぁ、この前よりは」
何がしたいのか言いたいのか、私は理解できなかった。時々、こういう時がある。まぁ、そんなに気にしてないからいいんだけど。
真紀「私は、もうすぐ終わるよ」
私 「えっ、もう終わるの?」
とりあえず驚いているようには見せてみたけど、だから何?というような感覚だった。
真紀「うん。ずっと宿題してたからね」
私 「凄すぎるね」
真紀は、早く宿題を終わらして何をするつもりなのだろうか?受験勉強と宿題は違うと感じているのだろうか?
真紀「まぁ、今は受験勉強もしてないし」
やっぱりそうか。
私 「宿題いっぽん?」
真紀「そんな感じだね」
私 「でも、夏休み始まって、まだ5日間くらいじゃない?」
真紀「そうだよ」
そんな早く終わったら、逆にすることなくなるんじゃないか。思わず心配になってしまう。
私 「終わるの早過ぎでしょ」
真紀「早くホナも終わらせなよ」
終わらせたいとは思うものの、終わらせたからなんだという感じだ。
私 「頑張って5日くらいまでに終わらせるよ」
真紀「でも、ホナすぐサボるから」
思わず笑みを浮かべてしまった。
私 「ハハハハ。それはそうだね」
私の表情が変わったことで真紀の表現も緩む。
真紀「モチベーションがない感じ?」
私 「んー。なんて言うんだろうね」
自分の心の中にあるものを上手く言語化できない。
真紀「まぁ、終わってもすることないからじゃない?」
私 「あるわ、いろいろ」
真紀「あるの?」
私 「たぶんある」
確実ではないけど、あるんじゃないか。
真紀「私は、終わってからおばあちゃん家に行くの」
私 「へぇー。そうなんだ」
どこにおばあちゃん家があるんだろう?
真紀「うん。そこで、ずっと勉強しとくの」
私 「勉強は、どこでもできるでしょ」
真紀「こっちいたら誘惑あるじゃん」
私 「そういうこと」
意外な答えだった。
真紀「うん、ホナも楓もいるし」
私 「どこいても変わらない気がするけどなぁ」
真紀がどんな感じで勉強しているか私にはわからない。けど、勉強にかける思いが強いことだけはわかった。




