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7月30日 気配

 目の前に映る自分の部屋に少し苛立ちを抱き始めていた。とりあえず、やることを一旦終わらせることに集中しようかな。夏休みは、8月末まである。これからについていろいろ考えたい。けど、夏休みの宿題を終わらせないとそれどころじゃない気がしていた。真紀に催促もされてしまう。宿題をやるのはいいけど、そんな簡単に終わる量でもなかった。昨日、夜に宿題をしたけど全然終わらない。なんかいい方がないか頭を悩ませていたのだった。

 寝室の近くに置いてある机に、私は座って物思いにふけっていた。目の前には、夏休みの宿題である数学の教科書と問題集が。複雑な問題が書かれている。無気力とフラストレーションが私の心を襲ってくる。昨日と同じ様に宿題に取りかかる気力が湧かない。ドンドンドン!!!何か物音が鳴っている。

突然、なんだろうか。少し時間を空けるが止む気配が全然ない。私は、玄関の方に行くことにした。

 私の家は、薄暗い玄関。あかりをつけないと、ろくにわたれなかった。あかりをつけ、私は静かにドアのノブに手を伸ばした。好奇心と期待が入り混じった感覚が胸の中で高鳴っているように感じる。そっとノブを回すと、いつものようにギイッと鈍い音が鳴り響く。重いドアが内側にゆっくりと開いていく。向こうからは、見えないギリギリの程度の距離を保っていく。

 私の目の前には、いつもとは違う薄暗い空だった。さっきまでの物音が嘘の様に、物静かだ。なんだったんだろうか?しかし、よく見ると100m先に高校生らしき女性がいたのだった。誰なんだろう?私に会いに来たのだろうか?女性は、車に乗りこみ、私のマンションから遠ざかっていく。車は、広々とした芝生に面した石畳の歩道の方へと進んでいき、やがて私の方からは見えなくなってしまっていた。もう少し早く行けばよかった。少しの後悔を残しながら、私はドアを閉めたのだ。

 なんだっのかは気になるけど、ずっと見ていても

拉致があかないので、自分の部屋に戻ることにしたのだった。もう、17時ということもあり、周りに少しずつ街灯の灯火がつこうとしている時間だった。私は、部屋の中に入りさっきの宿題と向かい合った。よし、決めた。8月5日までに宿題を終わらすことにした。それがどれだけ大変かはわからないけど。私は、手帳を取り出し、8月5日の欄に宿題の締め切り期限として印を入れることにした。集中して、再び宿題に取り組み始めた。

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