7月20日 売店
真紀「ホナは、この後どうする?」
私 「あー、どうしようかな」
ちょうど授業が終わった頃だった。
真紀「もしよかったら、売店行く?」
私 「いいや、あんまりお腹空いてないし」
真紀「食べなくて、大丈夫?」
大丈夫かといえば、わからない。
私 「うん。一食くらい食べなくても大丈夫だよ」
真紀「そっか。最近、学校休んでたけど体調悪くないの?」
私 「うーん。ちょっと悪かったけど今は平気だよ」
真紀「よかった」
安堵の表情を浮かべた真紀がいた。
私 「真紀は、売店行くの?」
真紀「うん。今日、お昼ご飯ないから」
今日は、起きるのが遅かったから、私も作っていなかった。けど、真紀みたいにお腹は空いていない。
私 「それは、行かないとね」
真紀「ホナも着いてきてよ」
私 「えー、めんどくさいよ」
真紀「そんなこと言わずにさ」
相変わらず、私についてきたがる。
私 「一人で行ってきな」
真紀「はーい」
何かを察したようだ。
私 「今の時間って混んでそうね」
真紀「そうだね。大体、野球部とかサッカー部がいるイメージだね」
私 「あー、わかるかも」
真紀「あの子たち、お腹空き過ぎでしょ」
大体、私がいる時は、アイツらがいる。
私 「もうすぐ夏の予選じゃない?」
真紀「そうだね」
私 「いつなんだろ?もう終わったかな?」
真紀「まだ、じゃない?」
私 「なんで?」
夏の予選かぁ。
真紀「だって、定本とかまだ朝練行ってるし」
私 「あっ、そうなんだ」
真紀「グラウンドでも、橘とか橋本とかよく見るしね」
私 「まだ、やってるんだね」
アイツらが何をしているか私にはどうでもよかった。
真紀「大変だね、野球部も」
私 「たしかに」
真紀「この時期は、野球部だけじゃないよ」
私 「それは、そうだね」
真紀「サッカー部もバスケ部も最後だし」
私 「私たちくらいか、こんなにゆっくりしてるの」
真紀「そうだね」
私は、ゆっくりしていることに誇りを持っていた。
私 「まぁ、何もしなかったのも青春だよ」
真紀「そうなの?」
私 「そうだよ」
真紀「なんでよ」
髪を整えて話始めた。
私 「この先、大人になったら言うんだよ。高校の時は何もしてなかったね」
真紀「全然、誇れないじゃない」
私が言った意味を真紀は理解できていなかった。




