7月12日 朝食
私は、完成した料理をお父さんの前に並べた。どれもできたばかりで暑そうだった。クーラーをつけながら、朝食の準備を整え席についたのだった。
私 「今日、何時に帰ってくるの?」
お父さん「いやー、わからんな」
目の前に置いた朝ごはんを食べ始めた。今日の朝ごはんは、ご飯、焼き鮭、卵焼き、お味噌汁だ。作ったけど、この量を私は食べれなかった。
私 「やっぱり忙しいの?」
お父さん「まぁ、それなりにな。お前は、どうなんだ?」
いつもの朝より、疲れているみたいだ。
私 「お茶にする?水にする?」
私は、立ち上がり冷蔵庫の扉を開けた。
お父さん「あー。じゃあ、お茶で」
右からペットボトルのお茶を取り出した。そして、お父さんのコップにお茶を注いだ。"ありがとう"。そのままコップを取り口に入れた。すると、お父さんは、料理を指差した。
お父さん「これ、なんだ?」
指差した視線の先には、黄色く丸いものがあった。
私 「卵焼き失敗したんだよ」
お父さん「卵焼きかぁ。ハハハハ」
笑顔を浮かべているお父さんは、久しぶりだった。最近は、まともに話す時間もなかった。朝ごはんは、できるだけ早く起きて話そうとは思っていた。
私 「そんな笑わないでよ」
お父さん「作ってくれるだけ、ありがたいの」
私 「そうだよ。感謝してよね、ホント」
今日も、お父さんは、淡々と朝ごはんを食べていた。最近、朝は早く夜は遅い。疲れてないか、心配だった。まだ、6時30分というのにな。
お父さん「これ、捨てといて」
私 「何これ?」
何やら袋で厳重に包まれているみたいだった。見るなってことか?
お父さん「何でもない。ただのゴミだ」
私 「ふーん。燃えるゴミに入れたらいいの?」
ゴミ箱を指差した。
お父さん「いや、別で捨てといて」
私 「別?」
何を言っているか、理解できなかった。
お父さん「ああ。新しい袋に入れといて」
私 「わかったー」
そういうことかぁ。私は、立ち上がり、引き出しからゴミ袋を取り出した。
お父さん「じゃあ、そろそろ行くよ」
私 「はーい」
お父さんは、立ち上がりカバンを持って部屋を出て行った。さっきの物は、いったい、何だったんだろう?




