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7月11日 視線

 真紀ときたカフェは、夕方ということもあり、とても混んでいた。奥の席に座り、新作のフラペチーノを眺めていた。カフェのBGMがちょうど切り替わる頃、真紀は返事をしてくれた。


 蒼井「いいよ。空いてるよ」


 この前話をしていた真紀の誕生日についての話だ。


 私 「よかった」

 蒼井「何するの?」


 そういうの聞いたらダメでしょ。心の中でつぶやきてしまった。真紀のことはそこそこ知ってるつもりだったけど、最近、私との違いに困惑してしまっていた。


 私 「うーん。プレゼント渡すよ」

 蒼井「えー。嬉しい」


 まだ、何も決めてなかった。けど、そんな、すぐに喜ぶなんて。なんとも言いようがなかった。相変わらず、真紀は、私の考えの上をいく。


 私 「よかった。喜んでもらえて」

 蒼井「嬉しいよ。ホントに。楓も来てくれるの?」


 真っ先に出たのが楓かぁ。少し驚きだった。フカフカのソファの席の座り心地を確認していた。真紀と話をしながら、もっと別の席がなかったのか、辺りを見渡していた。


 私 「その予定だよ」

 蒼井「後は、那奈だけかぁ」

 私 「そうだね」


 声のボリュームが下がってしまった。ここにいない那奈の名前を出してどうなるのだろうか?空気を読めない真紀にイラつく。苛立った感情を抑えるために、私は、フラペチーノを口に入れた。


 蒼井「何をしてるのかな」

 私 「そんな、那奈に来てほしいの?」


 真紀は、真っ直ぐ私の方を見て答えてくる。さっき飲んだフラペチーノの甘さが口の中に広がってきた。白桃味のフラペチーノは、みずみずしい感じが特徴だった。


 蒼井「そりゃあ、もちろん来てほしいよ」

 私 「真紀は、すごいね」


 那奈。やっぱり、私たちにとっては大きい存在なのかもしれない。一番影響受けているのが、楓。そして、BIG3の高田や世田。みんな、那奈に早く戻って来てほしいと思っていた。私は、そこまで必要てしていなかったけど、これだけ周りから言われるのなら、さっさと帰ってほしいというのが率直な意見だった。


 蒼井「どういうこと?」

 私 「んーん。なんでもない」


 なんか、この前会話していたのと同じカタチで今日も終了しようとしていた。私は、ついさっきたのんだはずのフラペチーノがもう半分以上になくなっている。真紀から視線を逸らすことが難しくなって、私は困ってしまっていた。

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