7月9日 誕生日
楓は、少し伸びた髪を切ってきたみたいだった。今日は、真紀とばかり話していて楓とは話せていなかった。毛先を気にしながら、私に提案してきたみたいだ。
山川「じゃあ、しょうがないかぁ」
私 「真紀、のり気じゃないしね」
楓は、どこかつまらなそうな顔をしていた。
私 「やりたかったの?」
山川「そりゃあね」
私 「なんで、そんなやりたいの?」
山川「だって、那奈もいないし誰かしてあげないと」
私たちの会話は、いつしか真紀の誕生日の話になった。5月は、楓の誕生日。そして、7月には真紀の誕生日だった。私は、やってもやらなくても、どちらでもいい。ただ、那奈がいないのは盛り上がりに欠けると勝手に思ってしまう自分がいた。
私 「まぁ、そうなんだけどね」
山川「それか、他の人呼ぶ?」
私 「他の人?」
楓が、他の人を誘うなんて、驚きだった。
山川「クラスの人とか」
私 「真紀は、そんなに誰とも絡まないでしょ」
クラスの人を誘ってもくるだろうか?もともと、真紀は、人と絡むのが得意ではなかった。
山川「でも、世田くんとか渡瀬くんとかだったら来てくれると思うんだけどな」
私 「あー、たしかに」
クラスの陰キャである世田や廣瀬なら、来てくれる可能性はまだあった。けど、両方とも男子だし、呼びたいとは思わなかった。
山川「でしょ?」
私 「でも、世田は那奈と仲がいいだけで、真紀は関係ないんじゃない?」
悔しそうに私を見つけた。
山川「まぁ、でも来てくれる可能性は、他の人より高そうだけど?」
言われた楓も、言い返せなかったみたいだった。
私 「そっかぁ。じゃあ、廣瀬は?」
山川「廣瀬くんは、私と仲いいから来てくれるはず」
楓は、どこか自信があるみたいだった。
私 「どっからの自信よ?」
山川「誘ってみたら、可能性あると思うよ」
普段あまり話さない楓が言うんだから、おそらく来てくれるのだろう。
私 「じゃあ、誘ってみたら?」
山川「ホナも手伝ってよ」
まさか、そう来るとは思わなかった。
私 「えっー、嫌だよ。めんどくさい」
山川「そんなこと言わずにさ」
私は、肩をたたかれ、なだめられた。楓と話していたのも、本当は真紀と女子の関わりについて話したかったのに話題が逸れすぎていて、戻すことができないでいた。




