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7月7日 モヤモヤ

 昼休憩の時、私と楓は話をしていた。さっきまでいた真紀は、職員室に行ったみたいだった。私たちは、いつも、真紀と楓、そして那奈の4人で昼食をとっていた。しかし、那奈がいなくなってから、私たちの関係性にもヒビが入るようになってしまった。

 私は、もともと3人と仲がよかったわけではなかったから、少し上手くいかなくなると全てが崩れかけるような感覚だった。那奈がいなくなった後も、真紀が声をかけてくれる。そして、那奈からも楓のことを頼まれていたから、簡単に見捨てることはできなかった。欲を言えば、一人の方がいいし、誰かとずっといるという柄でもなかった。

 私は、そんなことを考えながら弁当を食べ終えた。目の前に座っていた楓も何か思いつめているみたいだった。こんな時、那奈がいてくれたら、もっと違うことになっていたんだろうな。いつも、私はそう思っていた。那奈は、どこで何をしているかすらわからない。私たちにとったら、最大のモヤモヤだ。那奈と一番の友だちである楓は、那奈について何も言わなかった。ただ、ひたすら帰ってくるのを待っているみたいにも思えた。


 山川「どうしたの?」

 私 「いや、なんでもないよ」


 心のモヤモヤが晴れない。


 山川「なんか、いつもより機嫌悪そうだけど?」

 私 「そんなことないよ」


 気持ちを落ち着かせて話した。


 山川「そう?」

 私 「暑いから機嫌が悪いように見えるんじゃない?」


 楓は、納得いってないみたいだった。


 山川「ふーん」

 私 「なに?」


 楓の表情がイラだった。


 山川「なんでも」

 私 「なんかあるなら言いなよ」


 もう、何もかも難しく感じていた。昨日、真紀と話していて思った。これから、私は、こういう人と絡んでいたら自分のモヤモヤが溜まってしまうことがわかった。でも、今のまま、真紀を裏切ることなんてできない。けど、今みたいに自分を変えようとしない真紀をずっと守ることもできなかった。


 山川「だから、なんかあったんじゃないのって聞いてる」


 おそらく、相当怒っている気がした。


 私 「何もないって言ってるでしょ」


 上手く言葉に表せないでいた。


 山川「はいはい。わかったよ」

 私 「はぁー」


 でかいため息がでてしまっていた。楓は、ゆっくり勉強をし始めたみたいだった。機嫌が悪いのをなんとなく楓に伝わっているみたいだった。

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