7月6日 嫌い
真紀「ホナ、ここの問題どうしたの?」
私 「見して」
真紀のノートは、文字でいっぱいだった。5時間目に行われる数学の授業の宿題を見してきたみたいだった。私に見しても仕方ないのに。これだから、真紀は上手く立ち回れないんだろう。昔から、ずっと真紀の側にいるが、真紀は全然上手く立ち回れない。クラスのみんなからも、あまり相手にされていなかった。性格が悪いわけでもないし、顔がとてもブサイクなわけでもない。おそらく、真紀がみんなからあまり相手にされないのは、対人関係にあった。
そりゃあ、私と同じ感じで、高田や寺崎と話していたら、嫌われるに決まっている。でも、それがわかっていないみたいだ。今もそうだ。勉強をしたくない、嫌いな私に勉強を聞いてくる。私以外の人にしたら、それはただの嫌がらせにしかならない。いつになったら、真紀はそれに気づくのだろうか?私は、ずっと真紀のことが心配だった。
私が言ってあげてもいいんだけど、私に言われたら、立ち上がれないんじゃないかという心配があった。ましてや、今は、那奈もいない状態。万が一のことがあった時、誰が真紀を守ってあげるのだろうか?今まで、真紀に何かあった時は、私が守ってあげていた。しかし、私が言ってしまうと、それができなくなってしまうという不安があった。
真紀「どう?」
私 「私、解いてないよ」
数学ノートから視線を背け、私は真紀の方を向いた。
真紀「解いたらどうなる?」
私 「頭、悪い私に聞かないでよ。楓呼びな」
楓は、少し前で何かをしているみたいだった。
真紀「だって、楓何かしてるよ」
私 「私に聞かれても、問題はわからないよ」
キッパリ、真紀を突き放した。
真紀「やればわかるでしょ」
私 「いいの、いいの。私は」
このままいると、ずっと真紀に絡まれる気がした。別に話したくないわけではなかったけど、居るのは居るので嫌だった。
真紀「なんでよー」
私 「宿題もめんどくさいし、やれるところしかやらないから」
真紀がどうするかは勝手だけど、私は私で自分の決めた道がある。そこから外れるのは嫌だった。
真紀「やろうよ、一緒に」
私 「いいよ、私は」
だんだん、真紀と話すのもめんどくさくなってきた。
私 「私、用事あるからちょっといってくるね」
真紀「えー」
真紀をおいて、私は教室を出た。




