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6月24日 不安

 昨日に続き、今日も応援合戦の練習をしていた。なかなか、ざわついてて、思い通りに練習は進んでいない。それでも、私は淡々と声をかけながら、練習を進める。前に出ていた寺崎も、同様のことを考えていた様に感じた。

 このクラスは、一人一人の個性が強すぎるがために、まとまるには難しいんじゃないか。声を出しながら、そう感じざぜるをえなかった。もう既に、16時を過ぎようとしており、最後にすることにした。"あと1回。最後いきます!"

教室内から大きな声が聞こえる。"ええっー"という声と"よっしゃー"という両方の声だった。

 私は、みんなに応援のサインを出した。みんなは、ボードの準備を始める。私の笛に合わせて、陣地の体制を速やかに変えた。「応援歌、いきまーす!せーの」。応援団長の私に続いて、寺崎、林が声を出し、歌い始めた。それを見たかのようにその他の藤岡や西野も歌い出だした。両脇にいた辰巳と藤平の旗持ち要員は、赤と白の旗を持ち上げ、本番さながら振り続けていた。

 辰巳と藤平は、教室の天井に当たるくらい高く持ち上げ、大きな声を出していた。それに感化されるように、野球部の定本やバスケ部の山田も声を出した。少しずつ、クラスが一つになってきているような感覚があった。辰巳と藤平が持っていた旗には、「絶対優勝」といかにもな表現で書かれていた。「1人で?」『いくな!!』「全員で?」『いこう!』『俺らは、最強!3年4組!We are champion!!』

ノリにのった沢田や辰巳たちが旗で暴れ出していた。ピーンポーンパーンポーン!!チャイムが教室に鳴り響いた。

 "タイミングもいい感じやし、後は練習だけやね"。担任の山田先生が私たちに声をかけた。隣にいた寺崎は鋭い言葉を放った。「私たちは、優勝以外ないんだから、絶対勝つよ」

と笑っていた。「ここまできたんだから、あとは、ほかのクラスがどれだけ練習してるかだね」。高田は、冷静沈着に話をし出した。

 私は、みんなが帰った後も、これでいいのか何度も演出を考え直した。他のクラスは、男性団長が多い中、私たちは、女性団長。さらに、構成も良いし、声の大きさも申し分ない。特に見た目で得点をもらうために高田や寺崎も登用した。使う道具、衣装は、赤と白を混ぜたとても綺麗なものに完成した。自分に何度も言い聞かせた。

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