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6月23日 部活

 いよいよ今日から、応援合戦の練習が始まった。私は、不安と緊張の中、指揮をとっていた。放課後で部活前ということもあり、みんなやる気がないのは見てとれた。でも、応援団長ということもあり、途中で放棄することはできなかった。

 私は、笛の音を鳴らした。これは、応援合戦の始まりの合図だった。高田と寺崎が前に出てくる。他の生徒は、赤色のポンポンを前に出した。そして、和太鼓担当の林が勢いよく叩いた。「いけいけ赤組」!『いけいけ赤組』。私のかけ声に続き、3年4組のやる気のない声が続く。再び、太鼓の大きい音が聞こえる。「Are you ready?」。『YES』。2秒ほど空いた後、返事をする。

 林は、右手で太鼓を叩くと同時に、男子の沢田と定本が声を出した。「赤組いくぞー」。『おおー!!』。やっぱり、男子の声には迫力がある。ドンドン!!林は、2回太鼓を叩いた。私は、右手をあげ、三三七拍子の合図をみんなに送った。それと同時に各自持っていた段ボールのボードを前に出した。

「今日は、ここまでー」。これからというところだったが、私は、ここでやめることにした。みんな驚いたようずだった。しかし、私の合図とともに、みんな教室から出て行く。これ以上進めても、明日以降に影響が出ると思ったので、これでよかった。自分にそう言い聞かせた。サッカー部の沢田や辰巳、野球部の定本は急いで教室を後にした。

 私は、みんなが持っていたボードが壊れていないかのチェックをしていた。すると、いつものように、楓がやってきた。


 楓 「なんで、やめたの?」

 私 「うーん。みんな、帰りたそうだったから?ハハ」


 前にいると、みんながどんな表情をしているかすぐにわかる。


 楓 「続けてやったらいいのに」

 私 「まぁね。部活組も忙しそうだし」


 楓の言う通りやってもよかった。けど、、、、、。


 楓 「この前、試合だったのによくやるよね」

 私 「あいつらは、部活やるために学校来てるからね」


 私は、部活とは縁がないが、もしかしたら、向こうから見る景色も悪くないんじゃないかとグラウンドを見て思った。


 楓 「ホントだねぇ」

 私 「まぁ、いいんじゃないの」

 楓 「このボードなおすの?」


 首を縦に振った。


 私 「ちょっと壊れてるやつあるから」

 楓 「私も手伝うよ」

 私 「いや、いいよ。先帰っといて」

 楓 「わかった」


 そう言って、楓は、スクールカバンを背負った。

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