6月22日 機嫌
那奈があんな風に綴っているなんて知らなかった。いつも、彼女と話していると、あんな風に表情を見せたことがなかったので、驚いていた。楓に見せたら、私以上に驚くだろうな。それだけに、楓がもっと上手く自分の気持ちを表現できたらいいのに。自分のことのように、心配になっていた。
真紀「ホナ、今日集まるの?」
私 「応援?」
真紀に声をかけられていることに気がつき、慌てて返事をした。
真紀「うん」
彼女が話をしているのは、応援合戦のことだった。
私 「一応集まるけど、どうなるかはわからないよ」
真紀「メンバーは?」
真紀は、メンバーをとても気にしている様子だった。
私 「リレー、騎馬戦、ダンスは決まってるかな」
【200×4リレー】 【100×4リレー】
沢田亮二 高田真波
辰巳慎之介 寺崎美桜
荻野由馬 藤岡優姫
定本健太郎 林友紀
【男子騎馬戦】 【ダンス】
中沢初登 西野菜緒
藤平武 新谷穂波
山口一平 山川楓
土井衛 蒼井真紀
遠野優太 佐々木美香
今井天心 長野佑衣
駒谷郁 花澤香奈
橋岡優磨 青今真希
今年の体育祭は、例年より競技数が多く、少し複雑なものになっていることは、寺崎から聞いていた。メンバー的に、男女共にリレーは、優勝してもおかしくないだろう。後は、やる気の問題。
真紀「そうなんだ」
私 「何か心配?」
彼女は、首を横に振った。しかし、彼女は、明らかに何か心配している。やっぱり、寺崎や林といったメンバーなのだろうか?
真紀「寺崎とかとは、どうなの?」
やはり、一番に寺崎の名前が出てくる。
私 「一応上手くはいってるけどって感じかな」
真紀は、なんて言ってほしかったのか。私には、わからない。
真紀「みんなで、何してるの?」
私 「今は、全体決めてるの。明日から、クラス練習」
ちょうどさっき、明日からクラス練習を始めることに決まったのだった。
真紀「そうなんだ」
私 「真紀は、体育祭楽しみ?」
真紀「そんなにかなぁ」
真紀は、どこか嫌そうだ。
私 「なんで?」
真紀「みんなでなんかするのとか疲れるしね」
私 「たしかに、そうだね」
私は、真紀の機嫌をとるので、せぇいっぱいだった。




