6月21日 定期健診
このクラスの中心は、女子は、もちろん高田真波。何かクラスでするのであれば彼女は使わない以外の方法はありえない。男子は、沢田亮二と萩野由馬の二人だ。沢田はサッカー部キャプテンで荻野は男子バスケ部でどちらもクラスだけでなく学校の中心人物でもあった。
応援合戦の5分。まずは、ダンスをする案を考えていた。真ん中に高田を添えて、両サイドに寺崎と林。男子には、その周りを固めてみることにした。私は、真紀の背中を見ながら、那奈の席を見つめていた。彼女なら、寺崎や林とも上手くやれるのだろう。そんなことを考えていた。
すると、彼女の席の上に置いていたプリントが外からの風に飛ばされてしまった。私は、急いでプリントを拾い、彼女の机の中にしまいこんだ。すると、何やら四角い形をしたノートが入っていることに気がついた。私は、気になって、ノートをめくってみる。そこには、メッセージが綴られていた。
ー4月1日ー
今日は、3年生最初の登校日。念願だった楓、穂波、真紀と同じクラスになった。他にも、真波、寺崎、林。定本くんに沢田くん。勉強しないと、一緒になれないクラスだから、自分でも驚いていた。自分に合ってるかはわからないけど、めちゃくちゃ嬉しい。楓も楽しそうに話かけてくれた。今日は、彼女が得意なオムライスのお弁当について語っていた。いつか、楓のオムライスが食べたいとリクエストをしておいた。
でも、いつもより胸が苦しい。というのも、先日もらった薬が朝から全く効かなかったからだ。朝は、既に2錠飲んでいた。帰る前には、楓にしんどいことがバレていた様にも感じる。彼女は、心配しすぎるだけに、彼女の前でしんどい顔はできないな、、、笑。
こんな日がこれからも続くかはわからない。これが、私の素直な気持ちだった。今日は、午前中授業で、午後からは休みになっていた。他の女子は、部活動で忙しそうだった。私は、昼から定期検診に向かった。
病院に着くなり、優先的に健診をしてくれた。健診が終わり、精算機近くで待っていた。すると、財布に入れ忘れた100円を取り損ねてしまった。私は、目が悪く、落ちた100円がどこに行ったかわからずに困り果てていた。すると、前の方から、同年代らしい女性が私に来てくれた。
彼女と話をしていると、八代南中学校出身の同じ高校3年生ということがわかった。また、いるかはわからないが今度会ったら、話しかけてみたいなと思った。




