6月20日 打ち合わせ
何をするか迷っていた。朝から、寺崎と打ち合わせがてら、話をしていた。このクラスのメンバー自体は、最強だが、まとまりで言えば、他のクラスにも負けている気がする。私は、朝からずっと考えていた。
どうすれば、このクラスで上手くいくことができるのだろうか?私が目立たずに上手くいく方法。そんなものあるのだろうか。自分の中で自問自答を繰り返す。
応援合戦で何をするか。今年の体育祭は、赤組。そうか、、、。自分の中で、ある一つの答えに辿り着いた。それは、目立つやつを使うことだった。私の中で、起用するメンバーが一気に思いついていく。後は、みんながついて来れるかだ。
寺崎「どう?」
私 「何が?」
寺崎「応援合戦」
寺崎は、やる気あるんだかないんだか、よくわからない様子だった。
私 「ある程度は、考えたからいけるよ」
寺崎「さすがだ。昨日は、何してたの?」
昨日は、"聖淮戦"だった。
私 「昨日は、試合見てたよ」
寺崎「えっ、見てたんだ。どこにいたの?」
たしかに、真紀や楓以外のクラスのメンバーとは出会っていなかった。
私 「サッカー行ってから、野球見に行ってた。寺崎は?」
昨日は、サッカーも野球もとても見応えのある試合だった。
寺崎「私は、試合出てたから、野球しかみれてないよ」
寺崎は、女子テニス部のキャプテンだった。
私 「でも、見にきてたんだ」
寺崎「新谷は、誰と見てたの?」
私 「真紀と楓かな」
露骨に嫌そうな顔をした。
寺崎「私、山川さん苦手なんだよね」
私 「だろうねぇ。苦手そう」
私は、共感も否定もしなかった。
寺崎「やっぱり、、、。わかる?」
私の顔を覗き込んできた。
私 「なんとなくね」
寺崎「山川さん、なんか言ってたりするの?」
私 「楓は、そんなことしないよ」
楓は、誰かの悪口とかを言ったりするタイプではない。ずっと那奈の側にいることだけを望んでいる子だった。
寺崎「そうなんだ。眼中にないのはないで腹立つけど」
私 「でも、寺崎は、そんなこと気にするタイプじゃないでしょ?」
寺崎「気にしないのはそうなんだけど、他の子たちがね」
寺崎ももがき苦しんでいる様だった。
私 「なんか、あんの?」
寺崎「いろいろあんのよ」
私 「そりゃあ、大変だね」
女子たちの大変さが身にもってわかるだけに、何も言えないでいた。




