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6月2日 中間テスト2日目

 今日は、中間テスト2日目。英語、国語、音楽があった。英語は、受験を意識して、レベルが高い問題が出されていた。私は、あまりの難しさに答えることができずにいた。選択式の問題であっても、なぜその答えなのかわからないので、答えようがなかった。

 それでも、てきとうに丸をつけて、解答していった。問題を解いていると、真紀が消しゴムを落として焦っていた。先生が真紀の近くに行き、消しゴムを拾ってあげていた。拾ってもらうと、何事もなかったかのように問題を解き続けていた。そう言えば、あの日もそうだった。


 ー5月6日の夜ー


 二人は、最近の話から三年四組の話へと変わっていった。


 蒼井「どんな人になりたいとかあるの?」

 私 「どんな人?どんな人やろ」

 蒼井「じゃあ、三年四組やったら?」

 私 「三年四組かぁー。誰やろう」

 蒼井「誰?」

 私 「真波とか未桜とかユッキーとかかなぁ」


 真波  =高田真波

 ユッキー=林友紀

 美桜  =寺崎美桜


 蒼井「そうなんや。どういうところがいいの?」

 私 「顔、頭の良さ、性格。どれとってもすごいところかな」

 蒼井「ユッキー、性格普通ちゃう?」


 さらっと、毒をはく蒼井にツッコミを入れたくなった。


 私 「急に、毒吐かんといて笑」

 蒼井「ふふ。ユッキーって、天然じゃない?」

 私 「そうかも。でも、顔可愛くない?」

 蒼井「可愛いな。笑った時、顔がクシャってなる感じいい」

 私 「人と比べるのは、どうかと思うけど。真波とか美桜は、全てが完璧で、自分が嫌になるの」


 つい本音が出てしまった。


 蒼井「まぁ、あの子らはすごいよね。でも、高校生のカーストなんて、しれてると思う。本とかにかいてあったんやけど、大人になってもそういうのって続くらしいよ」

 私 「大人になってもあるんや」

 蒼井「私は、自分が嫌いやけど他人と比べるようなことはないからそういうこと考えへんかったなー」

 私 「真紀は、自分もってるよね」

 蒼井「でも、それが自分を苦しめてる気はするけどね」

 私 「そうなの?」

 蒼井「うん、この性格意外と苦しい」


 蒼井自身も、一生懸命もがいて生きていた。


 私 「でも、私は今の真紀がいいかな」

 蒼井「そうかな?ホナは、もう少し自分に自信持った方がいいと思うけどな。そうじゃないと、一生他人と比べてばっかりになっちゃうよ。」

 私 「たしかに‥‥」


 蒼井の意見は、正しかった。でも、簡単には受け入れられない。


 私 「どんな感じって言われてもなぁ」

 蒼井「じゃあ、今からここに書き出すメンバーをカーストしてよ」

 私 「なにそれ?」


 蒼井の急な提案に驚いた。


 私 「なにすんの?」

 蒼井「ちょっと待ってよ‥‥」


 蒼井は、カバンから筆記用具とノートを取り出した。ノートにペンで何やら書き出した。ノートには、新谷、下田、山川、高田、林、藤岡、西野、原西、竹原、桜井の10名の名前があった。


 蒼井「ここに書いた10人の中からカーストつけてや笑」

 私 「カーストって‥‥。あの?」

 蒼井「うん」

 私 「どんな感じで書けばいいの?」

 蒼井「うーん。じゃあ、ピラミッド型とかはどう?」

 新谷「ピラミッドっとやったら、上がよくて、下が悪い感じ?」

 

 私が想像したピラミッドを伝えた。


 蒼井「そうかな?」


 蒼井は、ピンときてなかった様子だ。再度、説明をしてみた。


 私 「ピラミッドやったら、下の土台が大きいやんか。だから、人数が多くて普通になるくない?」

 蒼井「普通?」

 私 「ピラミッドって下の方が大きくない?」

 蒼井「うん」

 私 「大きいってことは、その分そこにいる人が多いってことになるくない?」

 蒼井「あっ、そっか。人数が多いから普通になるっていうことか」


 ようやく、私の意見を理解してくれたようだった。


 私 「そうそう」

 蒼井「じゃあ、ダイヤは?」

 私 「ダイヤやったらいいかも」

 蒼井「ダイヤでいこう」

 私 「でも、ダイヤの下とか最悪じゃない」

 蒼井「そうやで。じゃあ、私も、どこかに入れて」

 私 「真紀も入るの?」

 蒼井「うん。お願いします」

 私 「じゃあ、真紀も書いてよ」

 蒼井「えっ、私も?」

 私 「当たり前ー」


 そう言って、蒼井は、私にペンとノートを渡した。その後、蒼井は、筆記用具が入った筆箱を落としてしまい、ペンや消しゴム、蛍光ペンや定規が床に散らばってしまっていた。

 自分のところに来た消しゴムを拾って蒼井に渡した。蒼井は、何事もなかったかのように落ちた筆記用具を拾うと、すぐに書き始めていた。

私は、一瞬、混乱したものの、すぐにノートに目をやった。三年四組のことを思い出しながらノートに書いていった。

 女の子は、休んでいる下田を含めて15人いた。その中で、私を省いた14人の名前を書いていった。途中で迷ってしまったこともあり、約15分ほど書くのに時間がかかった。一方、蒼井は、10分程度で書き終えていた。


 蒼井「できた?」

 私 「じゃあ、一緒に見せよっか」

 蒼井「うん。じゃあ、いくよー。せーの」


 私と蒼井は、ノートに書いた14名の名前をお互いに見せ合った。


〈私〉     

 1高田真波

 2寺崎美桜

 3林友紀

 4西野佳奈

 5下田那奈

 6藤岡舞

 7山川楓

 8佐々木翠

 9蒼井真紀

 10篠倉佑月

 11竹原由里香

 12園田薫

 13吉野百合

 14戸田奈津那


〈蒼井〉

 1高田真波

 2寺崎美桜

 3林友紀

 4西野佳奈

 5下田那奈

 6山川楓

 7佐々木翠

 8新谷穂波

 9篠倉佑月

 10藤岡優姫

 11原西薫

 12吉野百合

 13戸田奈津那

 14竹原由里香


 多少、違うところもあるが、上位5名は、二人とも同じ名前を書いていた。

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