6月19日 聖淮戦
結局、体育祭の応援合戦の残りメンバーは、林、藤岡、西野に決まった。仲の良い真紀や楓を一緒に巻き込むわけにはいかないという責任感が先にきてしまったのが本当の気持ちだ。
今日は、"聖淮戦"という聖徳高校と淮南高校の部活動同士で試合を行う行事がある。そのため、授業は、休みになっていた。部活動をしていない私は、本来休みだった。でも、真紀と楓に誘われて、学校に試合を見にきていた。私たちは、歩きながら、サッカーの試合が行われるところまで歩いて向かっていた。
真紀「ホナは、応援してる選手いないの?」
私 「応援?」
私は、野球部が練習しているのを見ながら、歩いていた。
真紀「推しの選手。フフフ」
私 「うーん、いないかな」
サッカー部に、仲のいい選手はいない。野球部もそうだが、群れてしかいれない人たちはあまり好きじゃないのが本音だった。私たちは、サッカーの試合が始まる近くまでやってきて腰をおろした。
真紀「えー、そうなんだ」
私 「真紀は、誰がいいの?」
真紀「私はね、中沢くんかなぁ」
私 「楓は?」
楓は、どこか遠くを見てる様子だった。彼女は、頭の中が、那奈でいっぱいだろう。誰かが、那奈に言わないといけないのだろうけど、誰も言えないでいた。声をかけても反応がなかったので、楓にもう一回話しかけた。
楓 「ん?」
私 「何見てんの?」
楓 「あぁ、何でもないよ」
サッカー部の選手たちが集まってきた。
真紀「ねえねぇ、楓は、サッカー部誰がいいの?」
楓 「宝来だよ」
楓は、即答だった。宝来と言えば、サッカー部の問題児だ。
真紀「宝来くんかぁ。仲いいの?」
楓 「どうだろうね?ハハハ」
選手たちは、試合前のミーティングを始めていた。
【聖徳高校】 【淮南高校】
沢田亮二 FW 藤森春助
中沢初登 FW 玉波祐介
宝来海斗 FW 山根夢
辰巳慎之介 MF 狩野肇
工藤明弥 MF 佐藤勇輝
唐沢悠太 MF 勢野慎吾
原田透 DF 加藤尚矢
野木斗真 DF 笠間治
富山琉 DF 長尾優弥
相田成都 DF 林真威人
川上郡 GW 島崎高麗




