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6月16日 蒼井真紀

 昨日、思いつきで手を挙げてしまったことを少し、後悔しながら、教室に向かっていた。「ホナー」。この声は、真紀だ。真紀は、朝から元気だった。昔は、静かなイメージがあったが、私たちと関わるようになってから、少しずつ明るくなってきた様に感じていた。


 真紀「おはようー」  

 私 「おはよう」


 私たちは、二人で教室に入って行った。二人とも机にカバンをおき、後ろの私の席で話しをし出した。


 真紀「昨日、大丈夫だった?」

 私 「うん。帰ったら、すぐ治ったよ」

 真紀「よかったー」   


 真紀は、心底喜んでいるようだった。


 私 「ごめん、ごめん」


 申し訳なさそうに真紀に謝った。


 真紀「それより、応援リーダー大丈夫なの?」

 私 「どうだろー?」

 真紀「明日、メンバー決めないとだよね?」

 私 「たぶん。そうだと思う」

 真紀「私、メンバー入ろっかぁ?」


 まさかの発言に驚いた。


 私 「ホントー?」

 真紀「うん。力になれるか、わからないけど」

 私 「えぇー。嬉しい。でも、真紀、大丈夫?」

 真紀「うーん。わかんない。ハハハ」

 

 真紀は、あんまり人との関わりが得意ではない。楓は、一人がいいタイプだが、真紀は、単純に上手くコミュニケーションがとれないタイプだ。おそらく、応援メンバーは、4人程度。仮に真紀が入ったとしても、残り2人は、必要だ。


 私 「やってくれるのは助かるけど、メンバーって全員で4人くらい必要でしょ?」

 真紀「そうだね」

 私 「誰がいたらできそう?」


 真紀とやるなら、メンバーは誰でもいいわけではない。


 真紀「うーん。怖くなかったらいいよー」

 私 「怖いって誰よ?」

 真紀「うーん。寺崎とか?」


 寺崎美桜。テニス部キャプテンだ。性格は、サバサバとしており、男子だけでなく女子からの人気もある。女子では、林、高田、藤岡。男子では、沢田、中沢、辰巳あたりとよく話をしている。簡単に言えば、スクールカースト上位にいる子だ。


 私 「寺崎ねぇ。悪い子じゃないけど、打算で動きそうだから、メンバーには入らないんじゃない?」

 真紀「でも、そんなん言ったら寺崎の周りも入らなくなるんじゃない?」

 私 「確かに。なんか、考えるの嫌になってくるね」


 私は、これから、応援メンバーをどうしようか考えていた。明日の総合の時間までに、なんとかしないと、また誰も手を挙げない展開になるのではないか。そんな気がしていた。

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