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6月11日 下田那奈

 楓の友だち、誰なんだろう?昨日、楓から聞かされた自殺した友だちがいるというのは本当なのか?楓のことがいろいろ気になってしまっていた。那奈がいない中で、楓と仲良くできるのは私しかいないと思っていた。

 今日も、朝から、真紀と楓の3人で話をしていた。楓は、那奈がいなかったが、以前の様に気持ちが沈んでいるわけではなかった。私たちは、自然と那奈の話になった。真紀によると、那奈は、体調不良で休んでいるそうだ。その話をした時も、楓は、あまり気にしてない様だった。

 

 私 「楓って、中学校の時、何部だったの?」

 真紀「気になるー」


 私たちは、楓のことをあまり聞いたことがなかったので、真紀も気になっていた。


 楓 「私は、吹奏楽部だよ」

 私 「そうなんだ。なんで、高校は入らなかったの?」

 楓 「入ってもよかったけど、中学校の時、そこまで楽しかったわけじゃないからね」

 私 「そっかー」


 どこか、本心を話しているように思えなかった。


 真紀「楓って、大森中だよね?」

 楓 「そうだけど」

 真紀「聖徳高校に進学して、仲良かった人いるの?」

 楓 「うーん。基本、みんなといなかったしなー。難しいね」

 真紀「そうなのー?意外だねー」

 楓 「そんなこと、ないない。私、あんまり、人と関わるの上手くないんだよねー。ハハハ」

 真紀「私の方が苦手だよ」


 楓の話にかぶせるように、真紀は答えた。


 楓 「そう?真紀とかは、ホナいるじゃん」

 私 「いやいや、私たちも、いろんな人と仲良くなれてないよね」

 真紀「そうそう。だって、高田さんとか凄くない?」

 私 「そうだよね。顔、学業、部活、性格すべていいもんね」

 真紀「ホントだよね。楓は、凄いなって思う人いる?」

 楓 「うーん。やっぱり、那奈かなぁ」


 楓は、本当に那奈が好きな様だ。


 私 「へぇー。楓が那奈のこと言うなんてビックリ」

 楓 「そう?ここだけの話だけど、私、那奈のことめちゃくちゃ尊敬してるんよね」

 私 「那奈が聞いたら喜ぶね」

 真紀「ホントだよ。何で、那奈のこと尊敬してるの?」

 楓 「他の人には、わからないかもしれないけど、那奈ってめちゃくちゃ努力家なんだよね。みんな、天然とか言うけど、他の誰よりも努力してると思ってるんだよ」

 私 「‥‥」

 楓 「高田さんも矢田さんも凄いけど、私は、那奈の方が凄いと思うかな」


 那奈は、いったい、どこで何をしているのだろうか?私は、楓の顔をみながら考えていた。

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