39.夏休み:オス友†無双~ドキッ☆漢だらけの1泊2日②
そんなこんなで家に着いた俺たちだが、
晩御飯はまかせて!と腕まくりをするテツくんに台所をまかせて村雨と一緒に一足先に俺の部屋に移動した。
テツくんあれで女子力高いからね、いいお嫁さんになりそう。・・・お嫁さん?
なんか違うけど多分そう言う事だ!
部屋について一足先に3人で遊べるゲームの準備をする。
このために買っておいた新作の「DX社畜ゲーム-労基モリモリver-」。
ブラック企業に就職してしまったプレイヤーたちが交代でダイスを振りながら、コマを進め、ボーナス無し、残業代不払い、超過労働、ワンマン社長などの社畜ポイントを稼ぎ合うゲームだ。
・・・スレでは話題だったよ?
ゲームのパッケージをみた村雨は「お前これをフルプライスで買ったのかよ・・・KOTYノミネートまっしぐらじゃないか・・・?」といわんばかりのなんともいえない眼差しで見つめてきた。
ハハハすまん村雨、俺は48とかメジャーリーグとかノミネート作品を素で踏み抜くことに定評があるんだ。
これがクソゲーだったら、一緒に爆死してくれ。ともに死ねば口惜しさは消えるって誰かが言ってたよな・・・。
テツくんが準備している料理のいい匂いが、一階から漂ってくる。
「ほう・・・鶏肉の照り焼きか?・・・腹が減ってくるな」
そんな村雨の言葉に相槌をうちつつ、ゲーム機のケーブルを探して引き出しを開けると、封筒を見つけた。
「・・・ほのか」
思わず手にとりつつ、そういえば見ないまま引き出しに突っ込んでおいたな、と思い出していると、ついほのかの名前を口に出してしまう。
「あの女がどうかしたのか?」
当然村雨は聞こえていて、反応してきた。
俺の何とも言えない様子に、村雨がこちらに歩いてきて俺の名前の書かれた封筒に気づいた。
「・・・それか?中身は何だ」
そんな村雨の問いに、かくかくしかじかでと説明をする。
まるまるうまうまと頷いた村雨は、テツくんを呼びに行った。
「・・・で、お前はそれの中身を見もせずに引き出しにしまい込んでいたのか」
腕を組んで、全くこいつは・・・という様子の村雨。
ちなみにテツくんもその隣で正座をしながら、同じようなご様子。
「なぜもっと早く俺たちに相談しないんだ」
「あぁ・・・それは本当、すまん。・・・正直これ以上関わりたくなくて、見るのもなんだか嫌になっちゃってな」
俺のそんな言葉に、テツくんが反応した。
「その気持ちはわかりますが・・・これは見ておいた方がいいと思います。どんな内容であれ、それは藤島ほのかからの最後のメッセージですから、逃げちゃダメです。あ、逃げちゃダメですっていっぱい繰り返して言った方がいいですか?」
「村正・・・お前は、逃げるな卑怯者と言わられて背後から日本刀を投擲されるような男ではないはずだ」
そんな2人に押されて、2人が一緒についているから、ということでSDカードのデータを視ることになった。




