38.夏休み:オス友†無双~ドキッ☆漢だらけの1泊2日①
こころちゃんとのデートから数日後。
村雨とテツくんとの約束があり、待ち合わせの時間の昼過ぎに合わせて駅に向かった。
「久しぶりだな村雨」
駅前に行くと、村雨は先についていたらしく、足を肩幅に広げて腕組しながら直立していた。相変わらず雄々しい立ち姿である。
そんな本日は晴天なり、夏真っ盛りというか、太陽おめえちょっと遠慮ってものをしろってぐらいの真夏日だ。
「そういえばそうですね。一週間ぶりくらいでしょうか」
ひょこっと村雨の後ろから顔を出すテツくん。
「休みとはいえこんなに合わないってもの珍しいよな」
そういって2人に声をかける。
「すまん。部員を事故で異世界送りにしてしまったので連れ戻しに行っていたのだ」
「大変でしたね」
申し訳なさそうにする村雨と、苦笑するテツくん。
「何だ、随分なろう小説にハマってるみたいだな・・・村雨が冗談言うなんて珍しいよな」
なんだなんだ、俺の言葉にきょとんとしている村雨とぽかーんとしているテツくん。
この2人のそんな表情レアじゃね?!
咄嗟にスマホで写真にとる。すまひょい♪すまひょい♪
「レアな表情ゲットしましたー!あとでキョウスケくんにも送っておこうね」
そういえばキョウスケくん達は2人で旅行にいってるんだっけ。
青春って感じ・・・しないなぁ、
なんかキョウスケくんは武者修行か何かと勘違いしてそう。
「そ、そうですね。ははは」
えっ、テツくん何その反応。
そのネタ2回目じゃん?
まさか本当に異世界トリップしてきたの?
・・・いや、まさかそんな。ハハハ。
深く考えるのはよそう。
3人で買い出しをしてから俺の家に移動する。
今日は男♂♂♂3人のんびりどんちゃら騒ぎの日なのだ。
たまにはこういう男友達とワッショイするのもいいよね!
親父ィ・・!は出張中なので、今日は気兼ねなくのんびりできるということで2人はお泊りだぜ。
兄貴も誘いたかったので電話したんだけど、生憎と兄貴は自分の未熟さを痛感したから鍛えなおしに行ったそうだ。今でも十分強いと思うんだけどなぁ。
ちなみに、電話に出て対応した明日菜は泊まり込みで3人で遊ぶと聞いて酷く興奮していた。
・・・興奮?
お前も来るか?と誘ったが、「いやいやそんなご馳走様ですその中に混じるなんてとんでもないです妄想だけでご飯が止まりませんそれよりこの貴重なシチュを共有しないといけないので大丈夫ですありがとうございます!!」
と何故か妙に早口でまくしたてて遠慮していた。
あと何で急に敬語になるんだろう、不思議だね・・・。
ちなみにさっきの写真はしっかりとキョウスケくんに送っておいた。
暫くして、キョウスケくんに村雨のきょとん顔を送ったら「村雨先輩も人間だったんですね」って帰ってきたのはここだけの話。
草しか生えない。




