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SIDEまもり:資料提出

「ありがとうございます・・・報酬は口座に振り込んでおきます」

そう言って、スーツの男性から資料を受け取る。

正吉君とほのかちゃんが別れたという話と、

ほのかちゃんがよくない人たちと付き合いがあった、

という事を知って私はこうして情報を集め始めた。

「実は貴女のお父様に護衛を頼まれていたんですよですがその縁もまた運命的だと思いませんか私はそう思いますやはり私と貴女は赤い糸で結ばれているとそう私は考えるのですいかがですかなまりさん!」

「まもりです!」

・・・ということで井上さんが一緒についてきてくれるようになったので、

危ない人たちが近寄ってこなくなった。

相変わらずの早口でまくしたてるのでツッコミが追いつかない。

あといい加減名前を憶えてほしい。


井上さんの紹介で色々な情報提供者の人・・・中には路地裏の怪しいバーや、

何を売っているかよくわからない、普通じゃないお店などを紹介され、

そこから多羅篠一家についての様々な情報を買うことが出来た。


私の家に様子を見に来た父も集めた情報を渡すと、

父は鋭い目でそれに隅々まで目を通している。

・・・こうして対面すると、「繋がれざる男」と言われる圧倒的な筋肉に圧迫されてしまう。

普段は優しい過保護なお父さんなんだけれども。


そう、多羅篠一家の行状は本当にひどい。

-------まるで犯罪のデパート。

金と権力への癒着でやりたい放題、

さらには芸能界や腐ったマスコミとの繋がりもある。

一家そろってとんでもない人たちだ。

そういった情報ももちろん父に渡したが、

あまりの内容に口を噤んでいる。

多羅篠一が検挙されないのは、様々な方面への根回しがあるからだろう、と父が憎々し気に言う。

「お父さん、これって・・・どうにかできるの?」

「この程度のイキリザコ・・・おっほん、

小悪党如き知立の名で取り潰すことそのものは造作もない。

だが、諸方面に絡みついているのが厄介だ。

釣り上げるきっかけが必要だな」

きっかけ・・・

「こんなに悪事をしているのに?」

「まもり、お前が手に入れてくれたものは有用な情報だ。とはいえ逃さず捕まえるには・・・

例えばそう、現行犯で逮捕して、そこから力技で芋づる式に犯罪を暴くのが確実だな。

やるなら確実に。中途半端に手を出して逃がしては元も子もない。」

・・・歯がゆい気持ちになる。

こんな悪党がいるのに、手を出せないなんて。

「とはいえこれだけの情報を手に入れたのだから、

長くのさばらせておくつもりもないよ。

・・・しかしまもり、どこからこんな情報を手に入れたんだ?

私達が掴めなかった尻尾をこうもあっさりと掴んでくるとは、正直驚いたぞ」

「それはお父様が手配してくださった井上さんが紹介してくださったんですよ。

早口で、おまけに人の名前を間違えてばかりですが、見た目に寄らずに凄く頼りになる人でした」

「・・・?何を言ってるんだまもり、私はそんな者を手配してはいないぞ」

-----え?

嘘、だって井上さんは父に紹介されたって・・・

どういう事なんだろう?

井上さん、悪い人ではないし何度も助けてくれたりしたけれど・・・

私に嘘をついていたのかしら?

・・・嘘をついてまで何で手伝ってくれたんだろう

今度会ったら、ゆっくりと話を聞かせてほしいなぁ


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