17.
「うーん・・・」
なんか昔の夢を見ていた気がするんだけど・・・
だめだ、全く思い出せない
「・・・あっ、起きた?」
見上げるとそこには明日菜の顔があった。
後頭部にはもっちり柔らかい感触と、額にはひんやりした感触。
「ごめん、村正」
そういい、膝に乗せた俺の頭を抱えながら申し訳なさそうな顔をしている明日菜。
額には良く冷えたタオルがのっている。
あぁ、俺気絶したのね
「なに気にするな、俺はこれでも結構丈夫なんだ」
「あ、それは村雨もいってた。意識は持っていかれているのに身体的にはほぼノーダメージなのは流石だって。あとあの一年の子がやはり先輩と一戦とか燃えてたよ」
-------うわぁ。俺キョウスケくんの十八番技のとっつき技受けるの絶対無理だぞ、村雨は6連打から切り札までのコンボ全部木刀で受けきるらしいけど。
「・・・ねぇ、頭は大丈夫?」
「もともとネジがちょっと緩んでるから大丈夫」
「もー、そういうことじゃなくて!」
あんまり明日菜に心配そうな顔されるのもなんだかなぁ、と思うので軽口を叩くようにする。そうそう、明日菜は元気でいるのが一番魅力的なんだよ。
・・・魅力的、かぁ。
そういえばずっとほのかに気を取られていたけれど、明日菜もすごい美人なんだよなぁ。
・・・彼女と別れてすぐ他の女の子にときめくような軽い男じゃないぞ!
ほんとだよ!
おっぱいはでかいけど・・・本当にでかいけどな・・・!
「・・・まぁそのお陰で明日菜に膝枕されて役得・・・ってことでおあいこでどうだろう」
「・・・村正のすけべ」
少し頬を赤くした明日菜の様子が新鮮で楽しい
ちらり、と遠くを見ると金髪グラサンのイケメンと水上バイクに二人乗りしている村雨や、
通常の3倍速で流れるとうたってるプールを逆走するこころちゃん・・・そこはトレーニング器具じゃないよ?
あと流れるプールを浮わにお尻をいれてぷかぷぷか流されているテツくん。
遠くではキョウスケくんがセレンと焼きそばを食べてる。
あの金髪グラサンのイケメンって村雨がいってたお金持ちの御曹司の親友かな?
今度紹介してもらいたいな、遠目に見ていても面白そうな人だし。
結構皆エンジョイしてるなぁ。
「・・・大丈夫?」
聞いてきたことが俺の状態のことではなく、ほのかのことなんだなぁ、というのは解る。
「・・・まぁな、別れて、今は傷心中ってところ。
こういうのは日にち薬がどうにかしてくれるもんだろ」
「・・・そっか」
そういって静かに俺の頭を撫でる明日菜。
なんか最近やたらと俺の頭を撫でたがるけどそんなに撫でられると将来ハゲないか心配なんだぜ。
うちの家系皆40代過ぎるとハゲるしな!
「ボクじゃあんまりそういうホレたハレたってのは・・・頼りないかもだけどさ、
何かあったら言ってよ」
そんな、困ったような、照れたような、なんともいえない明日菜の表情に、ドキッとする
「明日菜------」
「うん?」
小首をかしげた明日菜の動きに、おろされた黒髪が風にふわりと靡く。
「-------実はおっぱいで顔が半分くらいしか見えない」
「そういうところだぞ村正ァ!・・・ああっ!この状態だと手出しできない!!」
ムキになった明日菜が俺の頬を引っ張る。
男の頬は伸びるようにはできていないんだよ!えぇいやめぬか!
ちなみに半分くらいとかなりオマケしていったが実際にはこっちを見下ろしてくれないと大半が見えないのは秘密。
観てください、サイズが違いますよ。
あっ、下乳のあんなところに黒子あるんだ、これたぶん本人からはみえないやつだな・・・
とかのんきに見上げてしまう。
その後は明日菜と2人で国内最長クラスという謳い文句のうきわスライダーにのったり、
2人で調子に乗ってうきわを限界を超えて加速させたり、
着水した衝撃で明日菜の上の水着が彼方にぶっとんでいってラッキースケベしたり明日菜にぶたれて水面にぷかぁ・・・って浮かんだりなんだかんだ賑やかに楽しんだ。
・・・俺は本当に友達に恵まれたな、
ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・
と友情に感謝しつつ、どきどきザバーンで楽しい一日を過ごしたのであった、まる。
令和こそこそ話
明日菜はE(成長中)・・・だそうですよ




