SIDE隣町:殴りたい、この外道
今日は中々満足のいく戦いが出来た、と。
多羅篠の根城で傷の手当てをしながら、満足感に浸る。
隣町のモヒカン4人と闘りあい、
3人のモヒカンは弱かったが・・・ギャレンとか呼ばれたモヒカン一人だけは中々に強かった。
九尺を見て熱い闘志を燃やして何度ぶちのめしても立ち上がってきた。肝心の九尺はさっさと逃げ出したけどな。
最終的には数の差で押しつぶされて袋叩きにされてボロ雑巾みたいにされていたが、できることなら一対一でやってみたかった。
モヒカン4人をのしたところで----遠目から見るだけでヤバいとわかるバケモノがこちらに向かってバクシンバクシン!してくるのが見えた。
女子の制服を着ている完全に中年のオッサンのような顔、
肥満を超えた何かの、膨れ上がった体。
------------この化け物、確実に人間じゃない。
「モヒカンさんたちをこんなふうにして・・・ゆるさなぁ~い!!」
と、えらくまったりした声だが修羅の形相で高速ランニングしてくる巨体。
本能が危険を告げ、
心の兄貴----ライフゲインの兄貴の強さにたどり着く前に、
鋼の狼を越える前に、俺はここで死ぬのだと確信した。
・・・のだが、八芸の旦那に抱えられて遁走して助かった。
旦那は俺をサイドカーに押し込み、全速力でバイクを走らせた・・・はずなのに割とかなり長い距離を化け物デカ女に追いかけられて正直ちょっと怖かった。
バイクに猛追する巨大なオッサン顔の女とかちょっとトラウマになるぜまったく・・・。
ライフゲインの兄貴に出会ってなかったら耐えられなかった。
兄貴に出会っていたから堪えられた!
「よぉ、相変わらず大活躍だなアクセル」
そう、親し気にこちらに近寄ってくるのはこの建物の持ち主であり、ゴミカスクズ男の多羅篠世志男だ。
俺は別にこいつの仲間になったわけじゃないし、
俺の目的のためにこいつを利用しているだけなんだが、
コイツはなぜかいちいち俺に馴れ馴れしい。
「そうかい、そりゃよかった」
「オイオイつれねぇ返事だな。
お前は顔もいいし腕っぷしもいいし・・・やっぱり顔もいい。
お前になら他の連中には手出しさせていない、
俺のコレクションの中のSSR達とヤらせてやってもいいんだぞ?ほれ」
そういいながら、どれがいい?とスマホで女の画像を見せてくる多羅篠。
落とした女をコレクション呼ばわりする。
本当に反吐が出る男だ、今すぐこのニヤけた面に俺の拳をブチこんでやりたい。
「いい。俺は女に興味がない-----強い漢と、闘りたいだけだ」
俺の言葉に、やっぱりそっちなのかよ・・・とザザッと俺から身を引く多羅篠。
なんだ?
まぁ、お前みたいな男の風上にも置けないゴミが近くにいるだけで不愉快だ、
距離を取ってくれるならそれに越したことは無い。
「よしく~~ん、ねぇねえあっちでしようよぉ」
そういっていかにもギャルっぽい半裸の女が多羅篠に絡みつく。
「おうおう、いいぜぇ、たっぷり可愛がってやるよ」
そういいながら踵を返し、ゲラゲラと笑いながら話す多羅篠達の会話が嫌でも耳に入る。
「で、結局あの子、アタシ達がその方がウケるっていったら金髪ピアスに染めてさぁ」
「マジウケルんですけど!ウケるの意味違うけどっ」
「ぎゃははは!おめーら酷いコトするよなぁ、
そんな事したら彼氏の幼馴染くんが脳破壊されちまうんじゃねーのかよははははは!」
・・・ああ、長らくご執心だったあの女の話か。
突然金髪白ギャルになってたから何が起きたかと思ったが、
コイツらがそうしたら幼馴染が喜ぶと煽ったのか。
そんな事をされて幼馴染がどう思うかに考えが至らないあの女も女で頭が悪いが、
コイツらの性悪さにも反吐が出る。
-----できることならここでまとめてブチのめしてやりてぇ。
「でもずいぶん可愛がっていたのにリリースしちゃって大丈夫なの?」
「ぎゃはは!あれだけたっぷり可愛がってやったんだ、
今更俺から離れられねーよ。
この俺様が一年もかけて貞操観念ぶっ壊して
身体の隅々まで仕込み切ったんだぞ・・・疼きを我慢できるはずがねぇよ。
・・・俺に抱かれたキッカケは幼馴染の男子のためって俺の戯言だが、
そっから俺の与える快楽に溺れたのはアイツ自身の無自覚の選択だ。
あいつの身体はもう俺のモン、もう逃げられねぇさ
それに、・・・新しい獲物も見つけたことだしリリースにはいい頃合いだ」
そういいながら舌を出し下品に笑う多羅篠に、
いつものモデルのような取り繕った感は見られない。
-----------------これが、コイツの本性。
「やっだぁ、まだ新しい女の子に手を出すつもりなの?」
多羅篠を囲む女の一人が言う言葉に、べろり、と舌舐めずりをしながら、
またぐらをいきり立たせる多羅篠。
「あぁ。ほのかをリリースした後観察していたんだが・・・弱ったほのかに付き添って帰っていく女がよ・・・黒髪眼鏡のお団子頭で、
まぁそりゃ地味な女に見えるんだがありゃ特上の上玉だ。
今までコレクションにいなかった初のSSR+、いくだろうな」
黒髪眼鏡の女・・・ね。
フン、こんなクズに目を着けられるとはご愁傷さまな事だ。
「ありゃあ磨けば光る美人だし、何よりあの身体。
俺様の目はごまかせねぇ・・・いい身体してるぞありゃあ」
そう言い、うっとりとした恍惚の笑みを浮かべる多羅篠。
「ひっどい、アタシらがいるのにまだ足りないの?」
と女たちがやいのやいのと騒ぐと、
両手で女たちの胸を揉みながら、ぎゃはは、と嗤う
「いい女をみたらブチこんでコレクションしたくなるのは俺のサガよ、
止められねぇ!
それにあのお団子ちゃんは極上の----恋する処女と見た。
俺のカンが言うんだから間違いねぇ・・・そういうのを踏みにじるのが最高なんだよなぁ!!」
サイテー!と言いながら一緒になって笑う女達。
「ほのかのときも楽しませてもらったけどな!
心では幼馴染が好きだってわかってるのに、
俺に抱かれる快楽に逆らえずに溺れていく様、
何度隠し撮りを観返しても勃起できるぜ」
そういいながら女達の服をはぎ取っていく多羅篠。
「---ま、キッカケは俺でもそこからただ気持ちいいことを選んだのはアイツ自身の責任、ってな。
だから俺は悪くねぇ!!」
言ってることもやってることもゲスすぎてイラつく野郎だ。
「あぁ・・・どんな手を使ってでも絶対に俺の女にしてやるぜお団子ちゃん
・・・そのためにお友達のほのかが利用できそうだしなぁ!
・・・あぁ、ハメてやるときが今から楽しみでたまんねぇ!!ムラムラしてきた!」
そういって女に覆いかぶさる多羅篠。
---------汚らしいゴミが。
待っていろ、鋼の狼と全力でぶつかり合って倒した後、
俺の手でお前らは一匹残らず掃除してやる。
願わくば、こいつが新しい女に手を出す前にそうできればと思うのだが。




