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第二十九章 誘拐事件の影響

数日後、文子が出社すると結城課長から、「木島さん、何か事件に巻き込まれたと聞きましたが大丈夫でしたか?」と部下の事を心配していた。

文子は、「はい、陽子さんに助けて頂きました。」と報告していると亮太が出勤してきた。

文子は泣きながら、「陽子さん、ありがとう。身元が判明しないように、荷物は全部没収されて、衣服も下着まで全部脱がされて、全裸で、舞鶴港で密輸船に乗せられました。密輸船が出航しなかったので、警察が来て助けられました。警察は、秋山陽子さんに依頼された、京都府警捜査一課の高木と名乗っていたわ。高木係長の説明では、秋山官房長官が、密輸船の出航を止めたそうです。警察が来たので、密輸船がスキを見て出航しようとしたそうですが、万が一、出航を強行した時の為に秋山官房長官が海上保安庁の巡視船を出動させていて、その時、舞鶴港に巡視船が到着して、出航を阻止したそうです。密輸船が、無理に巡視船を避けて逃げようとして座礁したそうです。それで間に合ったと説明していたわ。座礁した時は船が傾いて、タイタニックみたいに沈没しそうで怖かったわ。」と亮太に感謝していた。

    **********

男子社員が、「下着も脱がされたって、パンティーも脱がされて、女性器丸見えにさせられ・・・」と文子の下半身に注目して、ニヤニヤしていると、文子が泣きだした。

亮太が、その男子社員をグーで殴り、「何で殴られたか自分で考えて反省しろ!」と文子を助けた。

昌子が、「殴られて当然よ。陽子さんが殴らなければ私が殴っていたわよ。文子の気持ちを考えなさいよ、泣いているじゃないの、バカ!ところで文子さん、旅行する前に何故陽子さんに相談しなかったのよ。あなたの母親が陽子さんに相談したので陽子さんが気付いて、早引きまでして父親の力も借りて動いてくれたから良かったようなものの、陽子さんが気付かなかったら、あなた、外国に売られていたわよ。不信な事があったから探偵に調査依頼したのでしょう?だったら、調査結果が出るまで何故待たなかったのよ!私の婚約者がそんなに信用できないの?」と説教された。

文子は、「御免なさい。陽子さんから犯罪絡みの可能性があると探偵を紹介して頂いたけれども、金銭を要求されなかったので結婚詐欺ではないと油断したのよ。」と反省していた。

昌子は、「陽子さんが早引きして、私達で手分けして陽子さんの仕事をフォローしたけれども、陽子さんは営業社員だから勝手がわからず仕事が遅れているのよ。陽子さんから犯罪絡みの可能性があると指摘されたにも関わらず、あなたの不注意で事件に巻き込まれた事が原因なんだから、明日は休日出勤して遅れを取り戻しなさい!陽子さんのほかに、熊川先輩と、取引先のあかりさんも協力してくれます。」と仕事をさせて、気を紛らわそうとして指示した。

文子は、「ごめんなさい。私の責任だから、私が明日中に、遅れを取り戻します。」と皆に迷惑をかけたと反省している様子でした。

昌子は、「皆も何か不信な事があれば陽子さんに相談するのよ。」と忠告した。

亮太は、「若い女性から頼りにされるのは嬉しいが、そんなに頼りにされても困るな。」と今回はたまたま上手くいったが、失敗すればその反動が怖いなと思っていた。

    **********

その日帰宅した文子は母親から、「昨日は疲れていると思い、事情も聞かずに寝るように言ったけれども、どうなったの?」と事情を知りたそうでした。

文子から事情を聞いた母親は、「何故秋山官房長官がでてくるの?」と不思議そうでした。

文子は、「私が相談していた秋山陽子さんは、秋山官房長官の娘なのよ。高木係長の説明では、警察が事実関係を掴んだ時は手遅れだったそうなのよ。それで高木係長から依頼された陽子さんが、父親に依頼して密輸船の出航を止めて、海上保安庁も動かしてくれたので間に合ったそうよ。」と説明した。

それを聞いた文子の両親は、後日、秋山官房長官の自宅を訪問して、陽子と官房長官に御礼した。

秋山官房長官は、「いつも冷静な陽子が焦っていたのでただ事ではないと協力させて頂きました。無事でよかったですね。」と安心していた。

陽子は、「私はただ、文子さんを助けようとして無我夢中で動いただけよ。」と恥ずかしそうでした。

文子と両親は、陽子と官房長官に感謝して帰った。

    **********

その後文子は、今回の御礼を兼ねて、探偵依頼料の支払いに亮太と探偵事務所を訪れた。

探偵の調査費用支払い後、雑談していた。

友彦は、「亮太、お前は今回だけではなく、色々と事件に首を突っ込んでいるようだな。以前も依頼したが、俺の探偵事務所の非常勤社員として仕事を助けてくれないか?」と亮太の力を借りよとしている様子でした。

文子は、「亮太?そういえば、熊川先輩も陽子さんの事を亮太と呼んだ事があったけれども、何故なの?陽子さん、男性なの?でも女子更衣室で一緒になった時は、陽子さんは間違いなく女性だったわ。」と不思議そうでした。

亮太は、「馬鹿、ばれたじゃないか。亮太は俺の本名で、昔は男だった。泉は俺の恋人で、今でも最愛の女性だ。最愛の女性がいるのにセックスチェンジしない。事故で、本物の女性になってしまった。」と全てを説明した。

文子は、「本当なの?知っている人はいるの?」とこんな事は誰も知らないだろうと確認した。

亮太は、「職場では、泉と昌子が知っている。それと昌子の妹も知っている。取引先ではあかりが知っている。」と説明した。

文子は、「何故昌子さんの妹が知っているの?昌子さんもお喋りね。」と疑っている様子でした。

亮太は昌子の妹の事を説明して、「昌子の妹が気付いて昌子に相談したんだ。それで、昌子に問い詰められてばれた。」と昌子にばれた経緯を説明した。

友彦は、「そんな特別の体を使わない手はない。女子更衣室や女子トイレ、女湯など、男子禁制の場所にフリーパスの亮太にしかできない仕事を開拓しておくよ。是非、俺の探偵事務所の非常勤社員になってくれ。」と嬉しそうでした。

亮太は、「特別の体って、俺はお前のおもちゃじゃないぞ。それに、商社の社員だから暇じゃない。」と断った。

友彦から、「勿論仕事が休みの時だけだから、非常勤だといっただろうが。つまり、アルバイトだ。最初は悩んだようだがもう慣れただろう。色々と便利な事もあるだろう?是非協力してくれよ。」とどうしても、亮太の力を借りたい様子でした。

亮太は、「ああ、女子更衣室や女湯や女子トイレなど、男子禁制の場所にフリーパスで出入りできる。最高だぜ。この世の天国だ。」と嬉しそうでした。

友彦は、「俺の仕事を手伝ってくれなかったら、熊川に、お前がニヤニヤしていたとバラすぞ。」と亮太が口を滑らしたので脅迫めいた言い方をした。

亮太は、「嫌がる俺を、女性に慣れる為だと無理矢理女湯に連れて行ったのは泉だぜ。女子トイレや女子更衣室も、最初は気が引けたが、泉に無理矢理連れ込まれた。仕事は手伝ってもいいが、仕事が休みの日だけだぞ。」と一度は断ったものの、面白そうだったので引き受けた。

文子が、「そういえば、陽子さんが女子更衣室に入ってくると、昌子さんが恥かしそうに慌てて体を隠していたけれども、その理由がわかったわ。」と納得していた。

亮太が、「文子も魅力的な体しているよな。肌も綺麗だったし、思わず後ろから抱きつこうかと思ったよ。だから、高く売れると思われて人身売買の標的にされたんだろう。」と笑っていた。

文子は、「ばか!陽子さんのH!」と顔を赤くしていた。

    **********

亮太が帰宅すると秋山官房長官より、「今回は、私も正義の味方になれて嬉しいよ。」と喜んでいる様子でした。

亮太は、「京都府警の高木係長も、お父様が海上保安庁の巡視船まで出動させてくれたので、仕事がスムーズに進み、人身売買組織を完全に壊滅させられたとお父様に感謝していたわ。」と伝えた。

秋山官房長官は、「今回、海外に売られようとしていた女性の中に、人気アイドル歌手がいて、その女性だけは海外でも顔が売れているので、売られたあとも牢獄に監禁されて、ビップ対応させられる事になっていたそうだ。何度も報道されて、アイドルもテレビ電波を通じて私に御礼していたよ。勿論、テレビ電波だけではなく、最初に直接私を訪ねてきて御礼していました。それで私の所にまでファンからの御礼の手紙が何千通、いや何万通も届いている。アイドルファンの秘書に対応させているが、これで次回の選挙は圧勝だな。」と喜んでいた。

幸枝が、「それは考えが甘くないかしら?その歌手のファンは、小学生に多いらしいわよ。学校で振付など真似する事が流行っているそうよ。小学生には選挙権がないから、次回の選挙はどうなるかわからないわよ。」と油断しないように促した。

泉が、「いいえ、私達の会社でも流行っているわよ。成人のファンも大勢いるし、小学生のファンが親を説得すれば、浮動票も期待できるから、官房長官の仰るように、次回の選挙は圧勝かも知れませんね。」とファンは子ども達だけではないと説明した。

政男が、「ビップ対応って、ビップなお客の相手をするだけなのかな?それとも、特別な事をするのかな?」と興味本位で聞いた。

秋山官房長官は、「これは内緒だが、先日御礼に来た時の話では、全裸でヒット曲を歌わされる事になっていたそうだ。」とアイドル歌手から聞いた話を説明した。


次回投稿予定日は、6月26日を予定しています。

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