第二十五章 亮太、結婚詐欺師に気付く
亮太から友彦を紹介された昌子はしばらくつきあっていた。
その後職場で、「陽子さん、良い人を紹介して頂いてありがとうございました。実は先日プロポーズされたのよ。」と嬉しそうでした。
亮太は、「それはおめでとう。で、返事はしたのか?」と確認した。
昌子は、「まだ思案中で、返事してないのよ。あまり早く返事すると軽い女だと思われそうで、いつ返事しようかと考えているのよ。」とまだ検討中だと嬉しそうに現状を説明していた。
亮太は、「あいつはそんなやつじゃないよ。逆に早く返事しないと気がないのかと諦めるぞ。」と早く返事するように催促した。
昌子は、「わかったわ。次回のデートの時に・・・」と返事する日を考えている様子でした。
亮太は、「昌子さんの心は決まっているのだろう?その顔は決まっているわね。だったら、今晩にでも電話しろよ。電話する勇気がなければ俺が電話してやろうか。私の体をあなたに捧げます。あなたの自由にして下さいってね。」と愛のキューピットになろうとしていた。
そこへきた泉が、「昌子さん、陽子に返事してもらうと、今の私の体をあなたに捧げます。あなたの自由にして下さい、という事からもわかるように、そこから派生して、ある事ない事何を言われるかわからないわよ。自分で返事する事を勧めるわ。でないと、陽子に変態にされるわよ。」と助言した。
昌子は、「わかりました。今晩にでも電話して気持ちを伝えるわ。」と返事しなければ、亮太に何を言われるか心配でしたので、今晩電話すると決心した様子でした。
友彦からプロポーズしたと聞いていた亮太と泉は、昌子に聞こえないように小さな声で、「作戦成功、上手くいったわ。」と昌子に今晩返事させる事に成功して喜んでいる様子でした。
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その様子を聞いていた麻里が、「陽子さん、噂どおり男性を見る目は確かなのね。実は、今、つきあっている彼氏と旅行など一緒によく行くけれども、先日、二百万貸してほしいと依頼されたのよ。大丈夫かしら?」とスマホで撮影した、彼氏の写真を見せて心配していた。
亮太はその写真を見て、先日京都旅行した時に、亮太が女性だと気付いた京都府警の広美から、「この男性は全国に指名手配されている、殺人の疑いもある結婚詐欺師だから、もし東京で声をかけられたら通報してね。」と依頼された結婚詐欺師に酷似している事に気付いた。
亮太は麻里に、「次は、いつ彼氏と会うの?」と彼と会う日時を聞き出して、警察に通報しようとしていた。
麻里は、「今週の週末に東京駅で待ち合わせて京都に旅行する予定なの。新幹線のチケットは、先日彼氏と一緒に購入したわ。」と新幹線のチケットを見せて、日時を亮太に教えた。
亮太は、「わかったわ。京都に住んでいる私の知り合いの高木広美さんに頼んでおくわ。こんな時には頼りになるから大丈夫よ。心配しないで旅行に行って。それまで、お金は渡さないでね。」と笑顔で安心させた。
泉が、「彼女は私も知っているわ。あの人に任せておけば大丈夫よ。」と亮太を後押しした。
麻里は、「陽子さんと泉さんが頼りになると太鼓判を押す女性だったら安心ね。」とホッとした様子でした。
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亮太は、京都府警の広美に電話して、事情を説明して新幹線の日時を伝えて、彼氏が指名手配中の結婚詐欺師なのかどうかの判断を広美に依頼した。
旅行当日、麻里は東京駅で彼氏と待ち合わせた。
彼氏に、「私の同僚の知り合いで、京都に住んでいる高木広美さんに京都案内を依頼しました。京都駅で待っているそうです。」と伝えて京都に向かった。
彼氏は、京都に誰を連れてくるのだ?まさか警察?ばれたのかな?だったら、京都ではなく東京で警察がくるだろう。考え過ぎか。と油断していた。
一方、広美は京都駅で、他の刑事達と亮太からメールで受け取った麻里の顔写真と特徴で、結婚詐欺師を捜していた。
結婚詐欺師を発見した広美は他の刑事達に無線で、「結婚詐欺師発見、接触します。」と連絡して接近し、結婚詐欺師を警戒させないように、結婚詐欺師ではなく麻里に声をかけた。
「大川麻里さんですか?高木広美です。」と声を掛けた。
麻里は、「陽子から聞いています。今日はよろしくお願いします。」と挨拶した。
その間に、他の刑事達が結婚詐欺師の背後に接近した。
広美は、結婚詐欺師の背後に刑事が来た事を確認して、結婚詐欺師に、「あなたの事も聞いています。京都府警の高木です。少し、お話を聞かせて頂けませんか?」と警察手帳を提示して彼氏の反応をみた。
彼氏は、「俺の正体を知っていたのか。」と麻里を捕まえて、刃物を向けた。
その瞬間、後ろにいた刑事が、刃物を持っている手を掴んで、「銃刀法違反の現行犯で逮捕します。」と手錠を掛けて連行した。
広美は、同僚刑事が簡単に取り押さえたので、「あなた弱いわね。色男、金と力はなかりけりね。」と笑った。
麻里は広美から事情を聞いて、「やはり、陽子さんに相談して良かったわ。」と安心していた。
麻里は広美から娘の愛美を紹介されて、陽子さんに助けて頂いた御礼だと、愛美に京都案内してもらった。
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旅行から帰った麻里は、職場で出勤してきた亮太に、「ありがとう陽子さん。まさか、彼氏が結婚詐欺師だったとは知らなかったわ。優しくて親切だったから、全く気付かなかったわ。やはり、陽子さんは頼りになるわね。おかげで、詐欺の被害に合わずに助かったわ。」と感謝していた。
亮太は、「優しくて親切なのは当たり前でしょう。詐欺師は基本的にサービス業だから。」と広美に教えてもらった事を伝えた。
昌子は、「なるほど、確かにそうね。怖い人からお金を貸してと頼まれると逃げるわよね。親切で優しい人だから信じて貸してしまうのか。」と納得していた。
麻里は、「陽子さんに紹介して頂いた高木広美さんの説明では、お金を渡せば携帯番号を変えて、引っ越しもして、その後音信不通になるらしいわよ。途中でばれたり、逃げた後で見つかったりすれば、女性を殺していたらしいわ。私も刃物を向けられて、殺されそうで生きた心地しなかったわ。だから殺人事件を担当している捜査一課が動いていたらしいのよ。しかし陽子さん、顔が広いのね。その高木広美さんは、京都府警捜査一課の係長なのね。」と亮太に感謝していた。
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昌子は、「みんなも男性関係で不安な事があれば陽子さんに相談するのよ。陽子さんは、魅力的な男性にうっとりして騙される事は絶対ないから頼りになるわよ。だから結婚詐欺師にも気付いたのよ。」と女子社員達に忠告した。
亮太は、「その後、京都旅行はどうしたのだ?」と京都で一人淋しい思いをしたのではないかと心配して、その後の事を知りたそうでした。
麻里は、「陽子さんが助けた、広美さんの娘の愛美さんに京都を案内して頂きました。昼間は金閣寺や銀閣寺などのお寺が中心で、普通の観光案内でした。銀閣寺といえば、銀閣寺の屋根に鶏に似た鳥があったので、なぜ銀閣寺に鶏なのか、何か理由があるのか聞くと大笑いされて、あれは想像上で実在しない鳳凰だと教わりました。話が横道に逸れましたが、夜に花町の置屋に案内して頂き、人気No.1の売れっ子芸者、鶴千代さんを呼んで頂きました。愛美さんも京都では顔が広いようで、特に代金は不要だったわ。置屋の人達とも知り合いのようで、ハイタッチして親しく話をしていたわ。」と滅多に会えない芸者に会えて喜んでいる様子でした。
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その夜、帰宅すると秋山官房長官より、「マスコミから聞いたが、今度は、殺人の疑いがある結婚詐欺師逮捕に協力したらしいな。庶民の味方だとマスコミからおだてられて私も鼻が高いよ。そのような人の父親には、安心して日本を任せられると記事にするそうだ。私も将来は総理大臣も夢ではない。陽子さんは私の自慢の娘だ。」と喜んでいた。
治子が、「その週刊誌、いやにお父さんを持ち上げているわね。普通反対じゃないの?」と不思議そうでした。
泉が、「以前、誘拐犯逮捕に協力した記事を見ると、記者名は、高木隆と書いているでしょう?亮太が助けた愛美さんのお父さんよ。恩返しじゃないの?」と予想していた。
秋山官房長官は、「そうだったのか。何もかも陽子さんのおかげですね。ありがとう。しかし、結婚詐欺師によく気付きましたね。」と感謝していた。
泉が、「亮太は元々男性だから、男性の甘い言葉にうっとりして騙される事は絶対にないわ。私だって女性から色っぽく迫られれば気持ち悪いわよ。官房長官もそうでしょう?男性に肩を抱かれて甘い言葉を囁かれれば、うっとりしますか?」と何故結婚詐欺師を見破ったのか推測していた。
秋山官房長官は、「なるほど、言われてみればそうですね。結婚詐欺師も騙す相手を間違えたようですね。」と秋山家一同笑っていた。
亮太は、俺ではなく同僚の女子社員が結婚詐欺の被害に遭いそうだったんだけれども、まあいいかと流れに任せた。
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亮太は翌日出勤すると昌子から、「先日、彼氏にプロポーズの返事をするように助言されてOKの返事をしたのよ。それから、お互いの両親を紹介すると、母親同士で連絡を取り合ってトントン拍子に話が進んで、来年六月に結婚式を挙げる事になりました。」と報告された。
亮太は、「おめでとう。お幸せにね。どこで結婚式を挙げるの?」と喜んでいた。
昌子は、「日取りが決まったばかりなのよ。どこで挙げるかとか、詳細は何も決まってないわ。これからよ。両親も含めて彼とも相談したけれども、私達の仲人をお願いできませんか?」とこれからだと嬉しそうでした。
亮太は、「結婚式の仲人は夫婦でするものではないのか?私には相手がいないから無理ね。」と断った。
昌子は、「そうね。彼に伝えるわ。」と残念そうでした。
次回投稿予定日は、6月8日を予定しています。




