表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/430

2020/02/07『雪』『会社』『正義』

 とある会社には「正義のヒーロー」と揶揄される男がいた。

 彼は、自分がどれだけ切羽詰まっていようとも、相手が助けを求めていなくとも、困っている人や苦しんでいる人に手を差し伸べ、決して礼は受け取らない人だった。


 ある日、雪が降っていた。

 出社中だった彼はバスを降り、会社のあるビルまで向かっていた。

 その時、突然女性が目の前で素っ頓狂な声をあげて、足を滑らせて転んでしまった。

 彼は転ばないように急いで駆けつけると、女性を助け起こした。大丈夫ですか、と。

 そして、寒さに震える女性に開封済みの暖かなカイロを手渡し、会社の入り口まで付き添った。転ばないように、転んでも大丈夫なように。


 その女性は、彼は気づかなかったが、彼の上司だった。

 彼女は彼が揶揄されていることを知っていた。

 自分がしてもらったこと、それはからかわれるべきことだったのか。

 答えは――否。彼女はそう思った。


 どうして社内の人は彼のことを揶揄するのか。

 それは、自分が当事者ではないからかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ