表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/430

2020/02/05『学校』『暴食』『少年』

 ――市立風波小学校、二年一組の教室にて。


(すすむ)君……ちゃんとご飯食べてますか? ご飯、食べさせてますか?」

 私がそう言うと、目の前の女性は目を丸くした。

「食べてます。学校で全然食べてないんじゃないかって疑いたくなるくらいには……」

 ――まさか、お互いに同じことを言おうとしていたなんて。

「実は学校でも、かなりの量を食べてるんですよ。毎日お代わりは当たり前で、スピードも速いです」

「うちでもそうなんです。それに、お代わりはもうないよって言うと、駄々をこね初めて……」

 はぁ、と進君のお母さんはため息をついた。

「実は、今までも同じことを言われてきたんです。前の担任の先生にも、幼稚園の先生にも」

「そ、そうなんですか……」

 もう、どうしたらいいんでしょう……というお母さんに、私は何も言えない。どうしたらいいのかなんて、私が訊きたいぐらいなのだ。

 私が唯一できることは。

「――ひとまず、この話は一旦置いておいて、成績の話をしましょうか」

「え、ええ。そうですね……」

 話を逸らすことくらいだ。


 ――彼女との十五分間の面談は、まだまだ始まったばかりである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ