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2020/02/03『伝説』『真実』『科学』
とある国には、遠い遠い昔から語り継がれる伝説があった。
それは、いくつもの法則を、そしてたくさんの意味を説いていた。
そして、国民は皆それを信じながら、日々を過ごしていた。
しかし、その伝説は、やがて忘れ去られることになる。
他の国から入ってきた考え方が浸透したことによって。
古い伝説など使い物にならない、そう考えられたことによって。
そして、長い長い時が経って、現在に至る。
その伝説は、もう語り継がれはしなかったが、書物となって残っていた。
書物を見つけた考古学者は、それを読んで、目を丸くする。
「これは、まさか。いや、しかし」
書物に書かれていたのは、現代の科学で説いていること。
遠い遠い昔の伝説は、科学とほぼ同じだったのだ。




