表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/430

2019/12/22『節制』『強固』『高層』

更新は日付を超えましたが、書き終わったのはこの日のうちなのでお許しください。

「多くを望まないことよ。そうすれば、あなたは誰からも尊敬されるような素晴らしい人になれるから」

 いつだったかに、母に言われた言葉。それが、今になっても、僕のことを強固に縛り付けている。

 母の言葉は正しかったのか、僕には色々なチャンスが訪れた。けれど、そのほとんどを断ってしまっている。

 なぜって、あの言葉が僕から欲を奪い去ったから。


 本当は分かっている。全ての欲を失ったら僕はただの生きる屍になってしまうと。多くを望まないことと、何も望まないことは決して同じではないことも。

 けれど、どうしてもあの言葉が離れない。

 だから僕は、こんなところにいるのだ。

 高層ビルの屋上、その縁に。


 僕がここにいるのは、あの言葉を永遠に忘れるためか、あるいは生きる欲さえ失ったからか。

 分からないけれど、そんなことはどうでもいい。


 ——落ちる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ