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2019/12/20『砂漠』『時間』『少女』

本来、このテーマは2019/6/30のものですが、今日のテーマだとどうしても話が上手く書けなかったので、こちらのテーマを使わせていただきました。

 ——とある砂漠に、時計を抱えた少女の像があるらしい。

 そんな噂話を聞いた、美術品好きな青年が、それを一目見ようと旅を始めた。

 時には異国の病に倒れ、時には道に迷い、時には水不足で死にかけながらも、彼は旅を続け、ついにその少女の像を見つけ出した。

 それは、かなり古そうな石像だった。

 しかし、古ぼけていながらもそれは美しく、彼は拝まずにはいられなかったという。

 そして、彼はその像に、残りわずかだった水を供えて、その場を後にしたという。


 その数年後。

 彼がとある国の博物館で美術品を眺めていたときのこと。

 突然、近くにいた男が小さくとも高価な美術品を盗み、逃げ出そうとした。

 それを止めようと彼は男の前に立ちはだかったが、男は隠していたナイフを取り出し、彼めがけて振り下ろす。

 命の危機を感じて立ちすくんだ、その時——。


 彼は、美術品を眺めていた。

(あれ? 俺は今……)

 ふと腕時計を見ると、時間が10分ほど巻き戻っている。

(まさか……時を、遡った?)

 辺りを見回すと、そこには美術品を盗もうとしていた男がいる。

 彼は男にそっと近付いた。

 今男を観察してみると、やけに挙動不審で、ずっとキョロキョロしている。

 そのまましばらく観察を続けていると、ついに男はショーケースを破り、美術品へと手を伸ばす。

 が、男は美術品に触れることができなかった。

 男を監視し続けていた彼が、その動きを封じていたからだった。

「誰か! こいつがこれを盗もうとした、警察を呼んでくれ!」

 男を捕まえた彼は、一躍ヒーローになったのであった。


 とある砂漠に、時計を抱えた少女の像があるらしい。

 その像を見つけ、少女に大切なものを供えた者は、一度だけ、時を遡れるようになるという。

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