2019/10/23『天災』『学校』『恋人』
本当は2019/10/19のお題ですが、この単語三つを見て処女作(なろうやTwitterでは未公開)を思い出したので、それに近いものを書こうと思います。
この小説が、おそらく私の原点に一番近いものです。
とある小学校に、中野あきという子がいた。どこにでもいる、明るく元気な女の子だ。
彼女には一つ、秘密がある。それは、魔法が使えること。
あきちゃんはこっそりと魔法を使って、困っている人がいれば助けたり、自分が忘れ物をしたときにはそれを呼び寄せたりと、他の子には出来ないようなことをしていた。
さて、あきちゃんが通う小学校の学校行事の中に、学年全体で行くキャンプがあった。あきちゃんもキャンプに行く学年になり、お友達と一緒に「キャンプまだかな?」と言ってその日を楽しみにしていた。
ところで、キャンプといっても小学生のお泊まりなので、泊まるのはしっかりとした建物の中。というわけで、部屋割りを決める必要があった。
それを決める日、あきちゃんはどうしても同じ部屋になってほしい子がいたので、魔法を使った。その子と同じ部屋になりますように、と。そしてそれは、叶えられた。あきちゃんはその子——片思いをしている男の子と同じ部屋に割り振られた。もちろん、あきちゃんは飛び上がらんばかりに喜んだ。
キャンプ当日。
あきちゃんは昼間は宿泊施設内でのスタンプラリーを楽しみ、夕方のカレー作りでは率先して野菜を切り、夜のキャンドルファイヤーでは友達と寸劇をした。そして、就寝時間。好きな子と一緒の部屋で眠れることにワクワクしていたため、なかなか寝付けなかった。相手の男の子は疲れていたのか、すぐ寝てしまったが。
と、その時。
突然、建物が巨人によって揺さぶれているかのように、ベッドが揺れた。大地震だ。
とっさにあきちゃんは枕を頭にかぶせ、布団に潜り込む。しかし、好きな男の子は眠っていたためそんなことはできない。
窓ガラスが割れてベッドの上に降りかかる。あきちゃんは布団に守られて無事だったが、男の子の方はそうはいかない。揺れが収まってから、布団の隙間から外を覗くと、彼は死にかけていた。
好きな子が死ぬのは嫌だ。あきちゃんは祈り、魔法を使った。好きな子を助けてください、死なせたくないです、と。
瀕死の命を助けるための方法はただ一つ。自分の命を分け与えること。あきちゃんは魔法を使った途端、命が削られていくのを感じた。怖かった。それでも、魔法を使った。そして、好きな男の子だけでなく、友達や先生も彼のように死にかけているのではないかと思うと、同じ魔法を使わずにはいられなくなった。
——お願い、みんなを助けて。
自らの命を削り、あきちゃんは同級生と同伴していた先生全員を助けた。その代わり、自分が瀕死の状態になった。
それに気付いたのは、同じ部屋にいた男の子。彼は他の部屋の様子を見に行くと同時に、先生や彼女と仲の良かった子を呼びに行った。
そして、彼や友達、先生などたくさんの人に見守られながら、あきちゃんは息絶えたのだった。
だいぶ処女作とは変わりましたが、大体こんな感じの物語でした。処女作のオマージュ作品だと思ってもらえればいいでしょうか。
処女作になると「主人公は魔法使い→主人公は願いを叶えてくれるコロンを持っている」などの細かい設定の違いが出てきます。
流石に処女作そのものは恥ずかしいので、なろうやTwitterで公開することはないと思います。




