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2019/06/03『机』『真実』『晴天』
空は自分の心を映す、なんて言う人もいるけれど、私にはそうは思えなかった。
私の心は今大嵐なのにもかかわらず、空は能天気に晴れている。
心にも傘が欲しい、切実にそう思った。
魔法が使えればいいのに、と思った。
そうすれば、私の心は大嵐にならずに済んだのに。
あの悪魔の三日間だけでいい。
三日間だけでいいから魔法が使いたい。
どれほどそう願っただろう。
でもそれは、叶わない。
今更あがいても、この真実は変わらない。
分かっているけど、でも、あがきたかった。
だから、二枚の紙を必死に見比べた。
でも、あがいても何も変わらなかった。
ぱさり、と二枚の紙を机に置く。
——机の上には、模範解答と二十五点しか取れていない数学のテストの解答用紙が置かれていた。




