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2019/04/05『雪』『夕陽』『星』
久々の投稿となります!
不定期にはなりますが、これからまた「宝箱のタペストリー」を更新していきますので、よろしくお願い致します!
星明かり、月明かり。
粉雪の舞う、冬空の下。
沢山の人々がそこにいた。
ちらり、ちらりと雪が降る。
星の煌めきを分けてもらい、月に白く照らされながら。
数時間前までは、まるで魔法でつくられたかのような、幻想的な夕空が広がっていた。
けれど、今は日が暮れるのが早い。
人々は今、舞い散る雪のように白い息を吐き、そして寒空の下、穏やかに笑っていた。
人々は、その手に白い紙切れ——御神籤を持っていた。また別の人はその手にご縁——五円玉を持ち、賽銭箱に放り投げては、神様を呼んで手を合わせた。
紙コップに注がれた甘酒やみかんが、沢山の人々に振舞われる。
「あけまして、おめでとう」
星明かり、月明かり。
粉雪の舞う、冬空の下。
人々は新年を迎えていた。