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2018/06/02『窓』『妖精』『正義』

僕には、妖精の友達がいる。


今日も鍵のしまった窓から入ってくる妖精さん。

妖精さんはいろんなことを教えてくれる。


ある日、妖精さんはこんなことを聞いて来た。

「正義のヒーローって、かっこいい?」

「うん! みんなのために戦ってくれるんだよ」

「悪役は、嫌い?」

「大っ嫌い!」

「うーん、そっかあ……」

妖精さんはなんだか悲しそうだった。

「なんでそんなに悲しそうなの?」

「じゃあ、こんな風に考えてみて。悪役にも、家族や仲間が沢山いるとして、和司くんたちにとっての正義のヒーローが、悪役にとっては家族や仲間を傷つける悪者だったら?」

「え?」

「和司くんが悪役なら、どうする?」

難しいことは分からない。

だけど、なんとなく言いたいことは分かった。

「……悪役は、正義のヒーローを倒しに行く」

「そうね。悪役にとっては正義のヒーローが"悪役"なのよ」

「それじゃあ、本当の正義のヒーローなんていないじゃん! みんながヒーローで、みんなが悪役じゃん!」

僕は妖精さんに食ってかかる。

「その通り。えらいね、そのことに気づけて」

逆に褒められて、なんだか変な気分。

「今和司くんは病気で外に出られないけれど、外に出られるようになると、いろんな人に出会うの。もしかしたら反対の考えを持つ人もいるかもしれない。でも、そうだとしても喧嘩はしないでね。相手のことをちゃんと知って、分かり合えるといいわね。それが理想」


理想は叶わないことが多いと教えてくれたのも、妖精さん。

だけど理想に向かって努力することが大事だと教えてくれたのも妖精さん。


僕は呟いた。

「僕、いろんな人のことを知って、仲良くなりたいな」って。

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