表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
351/430

2020/10/16『少女』『憤怒』『魔法』

 ――あなたに会いたい、なんて言ったら怒るかな。

 そんなことを思いながら、空を見上げる。

 窓越しに見える月はけぶっていて、ぼんやりと光を放っていた。

 ――怒るよね。絶対私なんかに会いたくないよね。

 分かってるよ、と呟いた。

 私は、あなたの大切なものをぶち壊したんだ。

 あなたの心を、粉々に砕いたんだ。

『ありがとう。でも……やっぱり、あなたとはこれからも友達でいたいんだ』

 あの言葉は、本当の気持ち。

 今みたいに少し寂しい夜には、あなたと一緒にいたい。お酒でも飲んで、どうでもいいことを話したい。

 そんなことができる間柄でいたかった。

 本当に、ただ友達でありたかった。

 でも、その関係を維持することは、どうやっても不可能だったのだろう。

 あそこで頷いたら、私たちは恋人になる必要があったのだから。

 ――私が魔法使いで、あの告白の記憶だけ消せたらよかったのに。

 そんなことを考えて。

 子どもっぽい、私はもう夢見る少女じゃないんだから、と首を振って。

 でも、あなたに連絡するのが怖くて。

 私は孤独を抱きしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ