2018/05/28『路地裏』『コーヒー』『空白』
とある路地裏に、老舗コーヒー店があるらしい。
その老舗コーヒー店は、地図上には存在しないという。紙の地図でも、ネットの地図でも、そのコーヒー店「カヒースーブク」は存在していないことになっていて、実際にカヒースーブクがあるところには、白い空白があるのみだという。
カヒースーブクは休みの日がなく、毎日どんな時間でも開いているという。例えどんなに早くても、どんなに夜中でも、開いているのだ。
オーナーである初老の男は、こう語る。
「カヒースーブクのコーヒーが飲みたい人がいれば、いつでもカヒースーブクは皆様を歓迎いたします」
カヒースーブクには毎日多くの客が訪れる。
常連が多く、その常連は、こう語る。
「オーナーさん、今おいくつなのかしら」
「昔ここにきた時も、割と年取ってた気がするけど。なんだかいつまでもカヒースーブクはここにあるような気がするわね」
カヒースーブクのオーナーは、実は魔法使いだという噂がある。
他の噂では神様だとも言われているし、化け猫じゃないかとも言われている。
そしてカヒースーブクには幽霊や妖怪の常連も多いとの噂も。
しかし、真相は謎のままだ。