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2020/09/06『晴天』『夜』『過去』

 夜が来て、街には青い雨が降る。

 きらきら、きらきら、降り注ぐ。

 空中で(しずく)は宝石になり、

 誰かの心に、溶けこんでいく。


 青い雨には「記憶」がある。

 誰かが流した涙が乾いたとき、

 涙とともに天に昇った、

 塵に似た、小さな「記憶」の欠片が、雨の母親。


 晴れ渡った空の下、涙を流した人のため。

 塵のような「記憶」から雲は生まれ、

「記憶」を持った雨を降らす。


 雨が優しく降る夜に、

 傷ついた人は過去を見る。

 青い雨(過去)を受け入れ、前を見るために。

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