2018/05/26『占い』『憤怒』『騎士』
ある国に、とても強い軍隊がいたという。
どんな相手でも必ず倒すことができると有名で、どの国にもそれを超える軍隊はなかったという。
その国には、おばばと呼ばれる人がいた。
占いがとても上手く、外れることはまずないという。
どの国の占い師にも、おばばを超える占い師はいなかった。
軍隊は、今倒そうとしている敵がいた。
隣国だ。
隣国の軍隊はそこまで強くはないが、王様がとても賢い方で、素晴らしい政治をおこなうのだという。
この国にも王はいたが、悪政を強いる王様だったため、この国の住民はどんどん隣国へと移り住んだのだという。
王様は憤怒した。
そして、軍隊に命じたのだ。
「隣国を潰せ」と。
その時、「お待ちください」と言った人がいた。
おばばだ。
「占いによるとこの軍は全滅します。力ではなく、知恵で倒されます。このままでは危ないです。どうか、このおばばの言葉を受け入れてくださいまし……」
しかし、王はその言葉を拒絶した。
おばばの言葉が火に油を注いだようだったのだ。
そして、軍隊は予定通りに出発し、おばばの言う通り、全滅した。
隣国に攻め入られ、国は滅びてしまった。
王は死に、おばばは新しい王に仕えることとなり、豊かな国ができたという。




