表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
301/430

2020/08/27『黄色』『旅』『しょっぱい』

 どうしようもなく、不安になった。

 ずっと続けてきたことをやめる、という行為に対して。

 やめてしまったらどうなるのだろう。

 そんな問いを、繰り返し投げかけていた。


 創作するという行為から離れることが、怖かった。

 一度書くことをやめたら、書けなくなってしまいそうな気がして。

 多分、昔の自分ならそんなことを思わなかっただろう。

 けれど、今の自分は恐れている。

 言葉が紡げなくなってしまうことを。


 自分は果てしなく、旅を続けなければならないのだろう。

 ここに独り立って。

 自分の思考や、感情や、知識や、記憶や、そんなものたちの中を。

 ひたすら旅して、知っていく。

 そしてそれらを拾い、組み合わせ、言葉に変える。


 たった独りきり、誰かが助けてくれるわけでもない道のり。

 苦しさに泣き出すこともあるかもしれない。

 しょっぱい涙を飲みながら、進まなければならないのかもしれない。

 あまりに苦しくて血を吐く日もあるかもしれない。

 信じたいものを疑わなければならない辛さに、あえぐかもしれない。


 それでも、この旅をやめられない。

 旅の途中で見た金色の太陽や、銀色の星に、赤や黄や白の可憐な花……他にもたくさん存在する、たくさんの美しいものを、忘れられないから。

 これらを失ってしまうことが、たまらなく嫌だから。

 旅をやめたら、自分の中にある「もの」を見つけ出すことができなくなるから。


 だからきっと、やめないのだ。

 自分を旅して言葉を紡ぐことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ