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2020/08/19『サバンナ』『畑』『本』
サバンナを彷徨い歩いて、どれだけ経っただろう。
分からないけれど、わたしは遂に辿り着いた。
伝説の、一本の木に。
首が痛くなるほど見上げると、そこにはどこまでも高い一本の木がある。
これを登った先に、わたしの求めるものがある。
下に落ちないよう気をつけながら、下を見ないよう気をつけながら、高い木をよじ登っていく。
高い木をよじ登り、雲の上に来た。
そこには、たくさんの畑がある。
無数にある畑の中から、わたしは『本の畑』を探す。『本の木』が一面に植えられているという、その畑を。
どこまでも広がる畑に、植えられた木。そして実っている本たちに、わたしは確信した。
遂に、『本の畑』に着いたのだと。
ここでは好きな本が採り放題。
どんなジャンルでも、洋書でも和書でも、なんでも揃っている、本の虫には堪らない空間だ。
リュックサックに、読みたい本を詰め込んで。
わたしは木を降り、地上へと戻る。
家に辿り着いたら、この本たちを読もう。
どんな物語が待っているのか、楽しみだ。




