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2018/05/24『紅茶』『ロボット』『天邪鬼』
「紅茶ガ出来マシタ」
「ありがとう、フーガ」
フーガという名のロボットは、「コノグライ、簡単ナコトデス」と素っ気なく返す。
お気に入りのマグカップの中身を見て、首を傾げた。
「あれ? いつもはストレートなのにミルクティーだ」
「ア、オ気ニ召シマセンデシタカ?」
どこまでも機械的な声に応える。
「ううん、いつもストレートしか作らないから。
「ソウデスカ。タマニハイイカト思イマシテ」
「うん、美味しいよ」
フーガは返さない。
機械だからか、素直だ。
そして、機械のくせして、天邪鬼だ。




