表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
282/430

2020/08/08『悪魔』『真実』『少女』

 無垢な少女が、一人。

 彼女は信じて疑わない。

 悪を滅ぼすものが正義だと。

 正義は必ず正しいのだと。

 彼女は信じて疑わない。

 自分は悪を倒しているのだと。

 だから自分は正義で正しいのだと。


 そんな少女の耳元で、何者かが囁いた。

「ねえ、君は自分が本当に正しいと思っているの?」

「自分が正義だと思っているの?」

「悪だと思ったことはないんだね?」

 ――悪魔が自分を惑わそうとしている。

 少女はそう思った。


 その声は、言葉に憐れみを込めてこう言った。

「君が『悪』の側に立ってみれば分かるよ」

「『正しい』自分が何をしてきたのか」

「君の目は押し付けられた価値観で曇っているんだ」

「汚れてしまった眼鏡のようにね」

「違う立場で、新たな『真実』を見てみればいい」

「そして考えてごらん」

「自分が『正義』か、『悪』なのか」


 自分が『悪』の側に立って初めて、少女は知る。

 今まで自分が『正しい』と思っていたことが、『間違い』だったことに。

『正義』と『悪』など、簡単にひっくり返ってしまうことに。


 ――私はどうやって生きていけばいいの?


『世の中、白黒つけられないことだらけなんだよ』

『時には白黒つけなきゃいけない時もあるけどさ』

『でも、全てがそうってわけじゃない』

『むしろ、答えがない問いのほうが多いんだ』

『決めつける必要はない』

『自分に問いを投げかけ続けて、生きていくといいよ』

『答えが変わってもかまわない』

『そのために問いかけ続けるんだから』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ