2018/05/22『白』『辛い』『晴天』
その日は、雲ひとつない晴天の日だった。
噴水に腰掛け、空を見上げる。
噴水の音が、だんだんと遠くなっていった。
「はい、カレー作ったよ!」
「ありがとう、ゆあ」
机の上にはゆあが作ったカレー、そして、俺が茹でたゆで卵。
ゆで卵は白くてつやつやしていた。
「えへへ。食べてみて!美味しく出来てたらいいなあ」
俺はカレーをご飯と混ぜて、大きく一口食べた。
「……」
「どお?」
ゆあが作ったカレーは……
「——辛い!」
とんでもなく、辛かった。
「そお?ふつーだよ」
その辛いカレーをゆあはばくばくと食べていく。
「……すげーな、ゆあ。俺、牛乳取ってくる」
俺は呆れて牛乳を取ってきて、ひいひい言いながらそのカレーを食べた。
辛かった。
でも……美味しかったな。
ゆあに、会いたい。
会いたくて、会いたくて、たまらない。
会いたい。
その思いが俺の胸を焦がして、苦しくする。
ゆあに会えないなんて辛いよ。
ねえ、ゆあ。
公園の噴水に腰掛ける俺。
その隣に、誰かが腰掛ける気配がする。
「ごめんね。待った?」
振り向くと、そこにあったのは、無邪気な笑顔。
「——待ち合わせから一時間も遅れて来る奴がいるかよ、ばーか」
お題の『辛い』は「つらい」のか、「からい」のか。どちらの要素も入れましたが、皆さんはどちらだと思いますか?